渡邊雄太帰国会見全文「間違いなくベストシーズンだった」W杯欠場の可能性も言及

「自分がしっかりやらないと奥さんに迷惑をかけるのでしっかりやらなきゃいけないと思いました」


――大活躍だった11、12月はアシストでも目立つシーンがありました。その部分でのご自身の評価、周囲の評価を教えて下さい。また、3&Dという言われ方をしますが、それ以外でアピールしたいところは何でしょうか?

「アシストに関して、元々僕はもうパスはそこまで下手ではないと思っているんですけど、ただやっぱりNBAの中だと、どうしても自分がボールを持って仕掛けるだったりとか、そういう時間帯はほとんどなかったりして、特にそのアシストがよく見られたというのは、3ポイントも一緒なんですけど、彼らにディフェンスが集中することによって、自分がボールを持っている時でもすごく落ち着いてやれたというか、一つ一つの判断をしっかりやれたんじゃないかなと思っています。

あとはこの3ポイントが警戒される分、次のアクションを起こしやすくなったというのも一つ大きな理由かなと思います。どうしても3ポイントが入ってないと、ディフェンスも引き気味に守られて次のアクションを起こしづらいけど、3ポイントがあれだけの高確率で入っていたからドライブだったりとか、そこからディフェンスを引き付けてパス出したり、次のアクションを起こしやすくなっていました。3ポイントが決められたことが良い方向に繋がったんじゃないかと思います。

周りの評価はチームのオフェンスのコーチにシーズンの最初の方で、オフェンスの能力が高いというか、オフェンスがすごくいいけど、シーズン序盤のインタビューでも言ったんですけど、トレーニングキャンプではKDとマッチアップすることが多かったので、ディフェンスはもうちょっと頑張らないとなと言われて、KDなのでそれは理不尽だと思ったんですけど(笑) オフボールで出してヘルプだったり、そういうのは得意なんですけど、1対1でエースを守る力はまだなくて、コーチが言うことは合っている。相手チームのエースを守れるようなディフェンダーにならないといけないので、そこを強化できるようにこれから頑張って行けないと思います」

――ディフェンスが課題という話がありましたが、来季以降、どこを磨いていきたいですか?

「今シーズン、一番はっきり見えたのが、やっぱり自分はまだまだそのチームメイトに依存するなということ。それはある程度誰でもそうだと思うんですけど、自分はそこに依存しすぎていて、元々そんな一対一が上手い選手だとは思ってないんで。

ただその中でも自分でもうちょっとショットクリエイトできるようにならないと、トレードでチームが変わった時に今年みたいに試合に出られないという状況になってしまいます。プレーの幅は、もうちょっと広げていかないと今年は3ポイントに関してもキャッチ&シュートは決めていたけど、ドリブルからの3ポイントで決められるかとか、ムービングから決められるようにならないと。今後の課題だと思います。ただ必要以上にやる必要はないと思っていて、自分の役割は最低限やりつつ、使うかどうかは別にして引き出しがあるかないかは大きな違いになると思うので。

やれるけどやらないのか、できないからやらないのかはまったく話が変わるので、そこは自分の中で成長したいポイントとしてオフシーズンを過ごしたいと思います。どういうチームに行ってもどういうチームメイトがいてもある程度プレイタイムをもらえるような選手になっていきたいなと思います」

――今シーズンは、家庭を持たれてのシーズンでしが、そのことがこの先のビジョンなど、影響した部分はありますか?

「そこは今シーズン、自分がまたしっかりやらなきゃいけないなと思えたことでもありました。支える家族が増えたということで、自分がちょっといやらしい話ですけどもお金稼いで、家庭に入れなきゃいけないっていうのもありますし、やっぱり自分たちがこの結婚を発表した時に、あまりネガティブな声も正直あったりで、おそらく僕が感じた以上に奥さんの方が、アスリートの奥さんになるということで、いろいろプレッシャーもあったと思います。これもおそらくですけど、僕がパフォーマンス悪くなった場合、標的はおそらく奥さんになるという不安が自分の中でもあったんで、そういう意味でも、自分がしっかりやらないと奥さんに迷惑をかけるので、しっかりやらなきゃいけないと思いました。

波があった中でも、今までの中で間違いなくベストシーズンだったんで、そういったような奥さんを安心させることができたんじゃないかなと思っていて、本当に今シーズンはいろいろなところですごく助けてもらったんで、最初のシーズン、一緒にできてよかったなと思っています」


文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

タグ: NBA 男子日本代表渡邊雄太FIBAバスケットボールワールドカップ2023

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