渡邊雄太帰国会見全文「間違いなくベストシーズンだった」W杯欠場の可能性も言及

デュラント、アービングらと勝負どころでプレーできたのは「すごく幸せな時間でした」


――久しぶりに日本に帰ってきましたが、やりたいなどありますか?

「数週間して日本にいるんで、家族であったり友達に会ったり、おいしいものを食べたり、楽しめたらいいなと思っています」

――5シーズン目の今季、保証なしの契約で始まり、厳しい戦いを勝ち抜いてきました。開幕ロスターを勝ち取るまで、どんな思いだったのでしょうか?

「まず、トレーニングキャンプの時は本当に正直すごく大変で、もちろん自分があの段階でチームに入れるかわからなかったので部屋を借りることができませんでした。普通のホテルの部屋があって、奥さん(久慈暁子夫人)と約2ヶ月いましたね。奥さんは途中仕事で日本に帰ったりもしましたけど、僕に関しても2ヵ月、この先どうなるんだろうっていう不安と闘いながら、9月から10月のキャンプが始まるまで過ごしていたので、正直本当すごく大変でしたけど。トレーニングキャンプに入って、自分のパフォーマンスはすごくいいなというふうに思っていましたし、試合が始まっても、ちょっとまだ波はあったんですけど、手応えが自分の中であったんで、やっぱり今までの経験が生きてきているなと感じたのと、このチームで自分の居場所が見つけられるんじゃないかなっていうふうには感じました」

――開幕ロスターを掴んで11月、素晴らしいスタートを切れました。3Pシュート成功率は、その月57.6%と高かったですね。シーズン前半を振り返っていただけますか?

「意識していたことは、とにかく自分の役割に徹しようということ。これは、今シーズンに限らず。どのシーズンでもそうだったんですけど、できないことを無理にやるのではなく、当時はケビン・デュラント(現サンズ)やカイリー・アービング(現マーベリックス)など、何でもできる選手がいてくれたんで、自分はできることを徹底しようと思っていました。ディフェンスをしっかり全力でやることと、オフェンスではKDだったり、カイリーがいるので、自分が空いたら思い切り打とつと意識しながらやっていたんですけど、57%は出来すぎな数字だったので(笑) さすがにキープできないだと思っていたけど、シーズン終わっても45%近(44.4%)決められたのは、40%以上を目標としてやっていたので、一つクリアできたと思っています。反面、今シーズンのあの感じだったら、それこそ50%ぐらいでシーズン通していけたんじゃないかなという気持ちもちょっとあったりもするんでそこは悔しいですけど、ただ昔からずっとテレビの前で見ていたKDだったり、カイリーと一緒に、同じコートに立って、勝負を左右するような時間帯でも彼らと一緒にプレーできたというのは、自分にとってすごく幸せな時間でした」

――2月のトレードデッドラインでは、デュラント、アービングが共に出ていってしまい、まったく違うチームになりました。そういった中で、なかなか出場機会が得られませんでした。

「トレードがあったことは、しようがないことなので。正直もし彼らがチームに残っていたら、まだプレイしていたかなというのはあるのですけど、ただトレードで来た選手は本当にいい人たちですぐに打ち解けて、彼らとバスケをするのもすごく楽しかったです。自分のプレータイムがなくなったのは、チーム状況としてウイングの選手がチームにやって来たのでしようがないと思っていました。トレード前はしっかり活躍することもできていたので、こういう世界だからと割り切って、過去4年間は試合に出られてない時間のほうが多かったので、同じことやり続けようと気持ちを切り替えて、いつでもまた試合にいろんな状況でもしかしたら出るかもしれないからということで、常に準備を怠らないようにしようっていうのを心がけながら、毎日生活していました」



文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

タグ: NBA 男子日本代表渡邊雄太FIBAバスケットボールワールドカップ2023

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