女子日本代表が決戦の地へ、林咲希「新しいバスケをやりつつ、日本らしいスキルを出していく」

林咲希「臨機応変にできるかというのが大事なところ」


――今の状態、個人とチームとどうと耐えていますか?
「チームとしてはデンマーク戦が終わってから、自分たちが思っていたことを選手で話して、それを元に練習をしてきたので、それが本番でしっかり出していきながら、その本番の中でも修正していきながら、いい結果を起こせるようにやっていきたいなと思っています。自分的には本当にデンマーク戦で感じたように、走るバスケットをやらなければいけないので、先頭を走ることだったり、ルーズボール、リバウンド、その姿勢をしっかり出していきながら、チームを引っ張っていけたらなと思います」

――6連覇、パリ五輪予選に入るためのベスト4が必要という女子アジアカップ2023ですが、ご自身が一番フォーカスしているのはどこですか?
「結果を残さないといけないと思っているので、そこは本当に強い気持ちは正直あります。そこで結果を残せれば、自分たちのバスケができているということだと思うので、チーム一丸となって戦わないと、日本を分析しているチームも多いので、新しいバスケをやりつつ、日本らしいスキルを出していく。今やっているバスケを出していい流れでやれればと思っています」

――デンマーク戦で不安はありましたか?
「ディフェンスのローテーションの部分ですね。デンマークはインサイドで強引にやってこなかったので、高さ対策ができているのかはすごく気になった部分がありました。そこのローテーションの練習もこの3日間でやりましたね」

――キャプテンとして、自分の中で変化などありましたか?
「前回は若いチームで女子アジアカップ2023に行ったので、みんな勢いで頑張ろうというのがありました。今回はバスケットの動き、理屈のあるバスケをしたほうが絶対にうまくいくとやっています。それをまとめるのがすごく自分的に苦手だったから、不安もあったんですけど、リツ(髙田)さんだったり、ナコ(本橋菜子)さんもいるので、力を借りながら、自分は雰囲気作りをしていこうと考えていて、それをやっているおかげで自分もちゃんとやれるという気持ちをまず持ってやれているのが一番いいかなと思います。今まで下の年代だったので、付いていこうというだけだったんですけど、引っ張る意識は増えてきましたし、しっかりやらなければいけないという根底がまずあったので、そこのレベルは自分的には上がったかなと思います」





――緊張とワクワクどちらですか?
「今はまだ不安はあります(笑) けど、これがずっとワクワクじゃないことがいいことかなと思っていて、この不安感があるからこそ、もっともっと伸びる部分があるんじゃないかなと捉えているので、もっといろいろな人の力を借りつつ、いいチーム作りをしていけたらなと思っているので、いろいろな人とコミュニケーションを取りながらやっていけたらなと思います」

――コミュニケーションで不安を共有するという話がありましたが、以前からあったことですか? チームが成長したからでしょうか? 
「練習をやっていくうえで、今のバスケットは一人一人が話をして、考えを知って、ここはこうしたほうがいいよねということで、ラフな会話を上も下も関係なくできていたほうがいいですし、いろいろな人と出るのでそういう会話は必要だとチームのみんなも思っているので、それはできていると思います。みんなが発言するようになっていますし、恩塚さんもそういう風にやってほしいと言ってくれているので、まだまだ足りないかなと思っています。そこも発信していきたいと思います」

――デンマーク戦を踏まえて、大会の目標達成に向けてカギになる戦術、プレーはどこになりますか?
「戦術ではセットプレーがほぼないので、ずっと言っているコミュニケーション、一人の選手がこう動いたらこう動くとか、こうしたほうがいいよね、というきついときでも頭はすっきりしながら戦えるかが本当に大事です。それこそエネルギーをめちゃくちゃ使うので、出ている時間、しっかりやらないといけないから、一人ひとり役割が、やるべきことをしっかりやれるような雰囲気作りをやっていますし、やらないといけないよねと。勝つためにはそれが絶対必要なので、疲れたとかは絶対に言えないですし、もちろんどの選手もそうだと思うので、きついときこそ自分たちのバスケがどうできるかが大事だと思います。デンマークの時は足を止めずにやれたんですけど、そこはあまりフィジカルでぶつかってこなかったというのがあったので、女子アジアカップ2023でぶつかられても足を止めずにできるかは大事なところだと思います」

――逆境に立たされる経験がどこかであるかもしれません。チームとして立ち返るベースがあるのか、その時にみんなで話し合うのか、どちらになりますか?
「その時の状況ですね。流れからいうとやっぱり、ディフェンスはやらないといけないですし、プレッシャーをかけなければいけない。あと走ること。そういう細かなところは絶対にやり続けないとできないので、それをやったうえで、相手がこうしてきたからこう守ろう、オフェンスしようというのを臨機応変にできるかというのが自分たちが大事なところなので、まず走る。リバウンドを取る。戦うというそこの根底は絶対にないといけないものだと思っています。そこができていない選手がいたら指摘しますし、日本はそれをやらないと勝てないと思っているので、全員でやり通したいと思っています」

――キャプテンとして一番しつこくやるところですね。
「そうですね。自分が一番の姿で見せて、発言できるようにするという風には思っています」



文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

PICK UP

RELATED