Bリーグ

2023.03.25

桜井良太インタビュー「たくさんのお客さんの中でプレーするのが選手としての一番の喜び」[リバイバル記事]

レラカムイ北海道へ移籍、北海道生活の始まり


――キャリア3年目に新設チームのレラカムイ北海道に移籍しました。ようやく軌道に乗ってきたタイミングでの移籍ですが、決め手は何でしたか?

一つ前の質問に答えた後でアレなんですけど、プレータイムがもっと欲しかったのが理由の一つです。ある程度のプレータイムをもらっていて2度も優勝することができたんですけど、その優勝というのは自分が中心となって達成したことではありません。やっぱり、『自分が中心のチームでプレーオフや優勝に絡んでいきたい』という思いがあったんです。

――以前、折茂さんが北海道でのデビュー戦を「観客の多さに圧倒された」と振り返っていました。桜井選手はどう感じていましたか?

折茂さんがおっしゃっていたのと同じような気持ちでした。北海道には日本ハムファイターズ(野球)とコンサドーレ札幌(サッカー)というプロ球団があって、そこにレラカムイが参入するという形だったので、ファンもスポーツ観戦に慣れているし観戦好きな方もたくさんいました。それでプレシーズンマッチから4、5000人もの方々が来てくれて、そのときにたくさんのお客さんに見てもらう中でプレーするのが選手としての一番の喜びだと感じましたね。

――今季で北海道に来て14シーズン目です。その間にレバンガ北海道の立ち上げなど、さまざまなことがありましたね。

北海道にはいろいろな思いがあります。チームを作っていくのが簡単ではないことをいまだに感じ続けていますし、現実問題、強いチームを作るにはそれなりのお金も必要だし、良い選手を取って結果を残しても次の年にほかのチームに引き抜かれてしまったりもするので。

なかなかチームカルチャーを作っていくのは難しいんだなと。ただ、「北海道は応援してくれる人が多くて好き」というのは僕以外の選手も話すことだと思います。僕は北海道に来てもう14年目ですから愛着もありますし、このチームでバスケットを強くしたい、根付かせたいという気持ちも変わらず持っています。そういう気持ちで今もレバンガでバスケットを続けています。

――昨季(2020年)は連続試合出場636という大記録を達成しましたが、その要因は?

何ですかね、痛みに強かったというか(笑)。『多少痛くてもできるでしょ』みたいな感じはありました。1年目のどこかのタイミングからの記録なんですけど、記録が300くらいのときから『そういえば休んだことなかったな』って自分自身も気にするようになりました。でも、これは僕だけの記録じゃなくて、スタッフやチームメイトにも助けられながらここまで伸びた記録でした。特に最後の方は足首の手術が何回も続いて、リハビリをしていたけど回復が思わしくありませんでした。でも、そういうときでも少し無理をして出続けていたので、今振り返ったときにほかの選手たちに言いたいことは「ケガをしたり、どこか痛いところがあればちゃんと休んだ方がいいよ」ってことです(笑)

――記録が終了した後、SNS上で当時の内海知秀HC(現Wリーグ・日立ハイテクHC)に感謝の言葉を述べていましたね。

内海さん自身も記録を尊重してくれて、かなり気を遣って僕を起用してくれていたのが見ていて分かりました。でも、僕のパフォーマンスが良くなくて…。記録を終わらせるときは僕よりも内海さんの方がつらかったと思うんです。つらい役目をさせてしまったなっていう思いがありましたが、感謝しています。

――これからの自身のキャリアやレバンガの未来をどう思い描いていますか?

シンプルなことですけど、どんなときでも毎日の練習を高い強度でやり続けられるチームを作っていきたいです。影響力の大きい選手の気分や調子によって練習の強度が浮き沈みするのが許されるチームであっては強くなっていきません。メンバーは各チーム違いますが、やることはどんなチームでも一緒である必要があります。ただ、これは言葉にするのは簡単ですが実際にはとても難しいこと。

それだけにレバンガを今述べたようなことができるチームにしていきたいですし、そういうチームを作る役割の一端を自分が担っていきたいですね。個人として、あと何年現役をやろうとかはここでは明言しませんが、少しでも長く続けていけたらいいかなって思っています。



Profile
桜井良太 Ryota Sakurai
チーム:レバンガ北海道
ポジション:SF
生年月日:1983年3月13日
身長/体重:194cm/89kg
リーグ登録国籍:日本
出身地:三重県
出身校:愛知学泉大

取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)

タグ: レバンガ北海道 Bリーグ

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