Bリーグ

2025.04.24

大塚裕土(アルティーリ千葉)、「B2で2年連続3P成功率No.1」の結果が語るもの

有言実行を貫いた2024-25シーズン


「シューター大塚」の昨季と今季を、数字で振り返ってみよう(以下、矢印の左が昨季、右が今季の数字)。

出場試合数 56→60
スターター 53→0
総出場分数 11394385144
3P成功率 44.0%124/282→39.6%90/227
出場10分あたりの3P成功数 1.09→1.06
総出場分数を昨季1139.72分、今季851.73分として計算
+/- 平均6.8381平均7.3436

3P成功率が4.4ポイント落ちているところには、新たな役割との格闘や心の葛藤、さらにはリーグ全体のレベルアップも影響していることだろう。しかし、10分出れば1本は3Pショットを決めるというシューターとしてのクォリティーは、実質的に保たれていたのだ。


©B.LEAGUE





また、それにも増して非常に価値が高いのは、全試合に出場して+/-が向上していることだ。自らの得点だけではなく、スペーサーとして機能することでチームオフェンスが威力を増したことが、この数字からうかがえる。

大塚はかねがね、「カテゴリーが変わっても年を重ねても、B1でやっていたのと同じスタンダードを落とさないよう心がけています」と言っていた。「役割が変わっても、コーチ陣が自分を使わずにはいられないような実績を出していく」とも。みごとな有言実行と言っていい数字ではないだろうか。

これだけの結果を残せたことについて、大塚はこう話している。

「プレータイムが減った中で、個人として結果を残せたのは非常によかったです。スタッツに残らないところをしっかりしなければいけないのはもちろんですけど、自分の存在を証明するのはやっぱり3Pシュート。虎徹や渡邉伶音(3月まで特別指定選手としてチームに在籍、現・東海大1年)にシュートを教えていた立場でもあったので、彼らに対する説得力にもなると思います。(自分が伝えていることの正しさは)自分の力で証明していかないといけないですが、その意味で自信になりました」

アルティーリ千葉はチームとしても、37.1%3P成功率がリーグトップだ。そのけん引役のキャプテンが個人としてリーグトップの座に君臨し、夏場その大塚に教えを乞うた黒川が規定外ながら大塚上回る44.9%57/127)。「すごく成長したと思います」と話す大塚の表情は自信に満ちていた。


©B.LEAGUE

さて、大塚が3P王のタイトルをかっさらい、熊本ヴォルターズが後半戦の快進撃でワイルドカード下位に滑り込んだことにより、来る53日(土)から千葉ポートアリーナで開催されるクォーターファイナルは、奇しくも今季の3P成功率ランキングにおける1-2フィニッシャー――1位の大塚 vs 2位の山田安斗夢――が激突する舞台にもなった。両チームがプレーオフにおいて、これ以上ない悔しさを味わってきた歴史を持つ者同士であることは、この記事を読んでいる人ならば両チームのファンならずともご存じだろう。悲願のB1昇格をかけて戦うセミファイナル進出を手繰り寄せるのは、どちらかの手から放たれるレインボースリーかもしれない。果たしてどんな結末が待っているだろうか? 間もなくその答えがわかる。

アルティーリ千葉プレーオフ特設サイト







文/柴田健

タグ: アルティーリ千葉

PICK UP

RELATED