月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2023.09.13

「Jr.NBAショーケースで得たもの」仲村匡世コーチ&中村颯斗選手インタビュー

写真:Bリーグ提供

Jr.NBAショーケースに仲村コーチ、中村選手が参加


7月中旬、アメリカ・ラスベガスでNBAが「第1回Jr.NBAショーケース」を開催した。初の試みとなったイベントには世界16ヵ国からトップレベルのユース選手40名が集結。日本からは中村颯斗選手(四日市メリノール学院中)が招待されて参加。また、BリーグがNBAと交渉し、コーチの参加も実現となって琉球U18から仲村匡世氏(アシスタントコーチ兼通訳)も現地へ。通訳として選手をサポートするだけでなく、コーチングのアシスタント役もこなした。

BリーグがNBAに交渉した背景には、日本バスケの可能性を広げたいという狙いがあるため。7月、Bリーグは「B.革新」と銘打って2026年に開始する新リーグの名称、新制度を発表した。その際に、発表された数値目標の一つにあったのは、2030年にはBリーグから5人のNBA選手を輩出するということ。海外を知ること。それは当然日本の可能性を広げることにつながる。この夏、新たな経験をした仲村匡世コーチ、中村颯斗選手に話を聞いた。
取材協力:Bリーグ



Q.今回の経緯、日本のユース、ジュニアの現状について教えてください。

仲村コーチ「まず今回はキングスを経由してBリーグから話をいただいて色々と勉強させていただこうという流れで行くことになりました。そして日本のユース、ジュニアのレベルは確実に上がっていると感じています。ワールドカップでもそうですが、Bリーグ所属選手が世界の選手相手に渡り合っていました。これは日本全体として育成は間違った方向に行っていないんじゃないかと感じています」

Q.現在はキングスU18をコーチングなさっていますが、レベルアップというのは確実に感じるものなのですね。

仲村コーチ 「チームを教えるようになって3年目ですが、レベルアップはとても感じますね。高校バスケとBユースのバスケのスタイルの違いというところもありますが、全体的に見てのレベルアップを感じます」



大きな刺激を受けたという仲村コーチ(写真中央左手)




Q.今回のJr.NBAショーケースは「大きな刺激になった」そうですね。

仲村コーチ
「はい。すごく刺激になったのは選手との信頼関係の構築する過程というのを1週間かけて目の当たりしたことですね。世界から集まったコーチは多くの実績を持っている方なんですが、そういったものを一切見せずに時間をかけてアメリカ人選手との信頼関係を築いていたのです。自信やプライドが強い選手が多かったのですが、最後はうまくまとめあげていました。その過程は非常に勉強になりましたね。最初は大変でしたけどね(笑)」

Q.中村選手にとっては、初めて会う海外の選手とバスケをするという機会でしたね。帰国後は全中を連覇することになりましたが、どんな収穫がありましたか? 

中村颯斗「海外の選手は高身長の選手が多くて、その中でどう点を取るか、相手を抜くというところを工夫してやりました。それはすごくいい経験になりましたね。バスケは5対5で戦うチームスポーツですが、特にアメリカ人選手は個人技でのプレーが多かったです。日本に戻ってきて、改めてチームプレイの大切さを感じました」



取材・文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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