日本代表・豪州戦後一問一答、渡邊雄太、残り2試合「40分間やりきれるかどうか」【W杯バスケ】

ホーバスHC「本当にこのチームに自信があります」


<日本語Q&A>
Q.今日の後半は、ドイツ戦の後半より内容が良かったと思います。すごく誇らしいプレーでしたが、これをどう未来に繋げられますか?

ホーバスHC「本当にこのチームに自信があります。全員がこの試合も勝つと思っていた。ドイツ戦はディフェンスが目立って得点できていなかったですが、今日の後半は54点奪っていました。オフェンスではみんなが常にアタックしていました。だから自信があります。それでも相手も強いから、少しずつステップ・バイ・ステップです。今日は悔しかった。けど(大会)終わっていません。このチームは長く一緒にプレーしたいチームです」

Q.渡邊選手は、昨年のアジアカップにも参加されてプレーしていませんが、オーストラリア戦(85-99)も見ていました。同様に健闘した試合でした。世界でもオーストラリアに89点を奪えるチームは少ないと思いますが、この1年間の進化をどう評価していますか?

渡邊「日本にも言えますが、昨年のオーストラリアはベストメンバーでもなかったです。今回、勝ちに来ているメンバー相手に対して、後半あれだけやれたのは、間違いなく自分たちの自信に繋がったと思います。ただ、こういうチームを本気で倒したいとなった時に、20分では絶対に足りない。コーチも言っていましたが、40分、後半のようなバスケットやりきらないと勝つためには足らないんです。40分間やりきるだけの力、体力を付けていかなければいけないと思います。後半、自分たちのペースに対して相手も疲れを見せていました。それは本当に自分たちが今までやってきたことの証明だと思います。自分たちも疲れていましたけど。残り2試合、絶対勝たなければいけない試合が続くので、40分間やりきれるかどうかだと思っています」


Q.ホーバスHCは常々「信じる」という言葉を使っていますが、選手にとってどんな力になっているか、後押しになっているのか、教えてください。

渡邊「まず自分たちが信じられてないと、いくらコーチが口で言っても本気で信じることはできませんし、結果には絶対繋がってこないと思っています。12人全員がこういうチーム相手に勝てると信じていけなければいけない中で、常に自ら口に出して言ってくれることで、自分たちも再確認できています。今日のオーストラリアに関しても、試合前、絶対勝てるって12人が信じていたと思います。ただ、力の差とかが前半出てしまった部分もあったんですけど、自分たちもやれるっていうのをまた証明できたと思いますし、今日の負けで落ち込んでいる暇もないです。先程も言いましたが、次の試合、2試合とも勝てば、大きくパリ(オリンピック)に近づくと思うので本当に1試合も取りこぼしができません。この戦い方を40分間できるというのを本当に全員が信じられるかどうかだと思っています」



「この戦い方を40分間できるというのを本当に全員が信じられるかどうか」と語った渡邊


Q.本日、厳しい時間でペイントアタックを仕掛けていましたが、どういう気持でプレーしていたのかを教えていただけますか?

渡邊「自分も体力的に結構厳しい部分もあったんですけど、特に前の試合でみんなに助けてもらった分もあったので、今日みたいなゲーム展開の時は自分がとにかく引っ張らなければいけないと思っていました。ジョシュもすごくペイントで体張って頑張ってくれましたし、続けて僕もやらなければいけないという気持ちで、ドライブすればしっかりファウルもらって、ジョシュが7本、僕が9本フリースローを打てています。外からというウチのバスケットもやらなければいけないんですけど、ペイントアタックできるチャンスがあれば行ってフリースローだったり、簡単に2点取っていかなければいけないと思っています。今日は3Pシュートをもうちょっと高確率で決めたかったというのもありますが、ああいう風にペイントアタックすれば、周りのシュートも生きてくると思います。今日はちょっと意識してペイントアタックをしていました」

Q.この2試合、ホーキンソン選手の存在は大きかったと思います。フィンランド戦で38分出場、今日は36分プレー、インサイドで体を張ってという彼の存在はどれだけ重要でしょうか?

ホーバスHC「彼が出ている時の+/-は0でした。彼はインサイドのリバウンドもあるし、スコアリングもできる。うちのオフェンスに必要です。外ばかり、速さばかりではなくて、あのぐらいのインサイドプレイ、スクリーンもあるとすごく大きいです。本当に38分、37分は長いし残念ですけど、今は得失点差が気になっています。ドイツ戦も今日もハーフタイムで22点差でしたが、これが40点差になると大変です。だから、残念ですけど、そこを考えてのことです。雄太(36分53秒出場)も今日結構出たのも同じことです」

渡邊「本当に、とにかくゴール下で体張ってくれて、リバウンドも本当全部もぎ取ってくれて、 ジョシュには本当にみんなが感謝しています。これだけの長い時間出て、あの強度でやっているのは本当に大変なんですけど、一切弱音を吐かないし、チームのために体張ってくれているので、自分たちももっともっとできることがあると思いますし、お互いにしっかり助け合ってやっていかなければいけないと思います。次の試合も僕やジョシュのプレイタイムは長くなる可能性もあります。でも僕ら2人とも40分出る気持ちでやっているので、途中交代して少しの休憩はあったりはしますけど、もうここまで来た以上、勝たなければいけない試合で1分1秒も無駄にできない中で、共にとにかく体張って走り続けてやろうと思っているので、明日またしっかり休んで次の試合に100%出せるように頑張っていきたいと思います」

Q.1次リーグ3試合、後半では素晴らしい試合を見せています。一方で前半は苦戦しています。どうすることで改善し、世界との差を埋められると思いますか?

ホーバスHC「今日のスタメンは富樫が河村に、原(修太)が比江島に変わりました。富樫、原はその前2試合でディフェンスが良かったけど、得点はあまり稼げていなかったです。フィンランド戦の後半、河村らの活躍はすごく大きかったので、今日2人がスタメンになったら得点も行けるかなと思ったんですけどうまく行きませんでした。その理由はオーストラリアのディフェンです。それで富永にターンオーバーが続いて、河村も迷っていました。それが今日の試合です。フィンランド戦は少し違う理由だったし、ドイツ戦も違った。こういう大会ではアジャストメントが必要なので少しずつ良くなるかなと思います」

渡邊「体力がある時間帯は、正直なところ力の差が多少なり出てしまう部分があると思います。前半は、僕らがどれだけ食らいついていけるかがすごく鍵になってくると思います。今日の試合もドイツ戦ももし前半を10点差くらいで終えていたら、後半、自分たちの方が練習はどこよりもめちゃくちゃやっている分、体力の部分で勝って先手を取っていけると思います。そこで4Q開始時に1桁の点差だったら、強い相手も体力的も精神的にも余裕なくなるし、ウチに流れが来る時間帯があると思います。ただ、20点とか空いていると、相手に余裕も生まれてしまいます。前半リードで終われれば理想ですけど、やっぱりその力の差とか多少出てくる分、10点差以内で終わることができたら、 オーストラリアにでもドイツにでも勝てるチャンスは十分あったんじゃないかなと風に思います。これから自分たちがどれだけ強くなれるかだと思います」




■FIBAワールドカップ2023日本代表試合結果予定
ファーストラウンド・グループE
・8月25日(金)日本☓63-81◯ドイツ[11位](21:10ティップオフ)
・8月27日(日)日本◯98-88☓フィンランド[24位](21:10ティップオフ)
・8月29日(火)日本☓89-109◯オーストラリア[3位](20:10ティップオフ)
[17‐32 位順位決定リーグ]
・8月31日(木)日本vs.グループF 4位
・9月2日 (土)日本vs.グループF 3位
※最終戦前の順位でF3位はカーボベルデ[64位]、F4位はベネズエラ[17位]
※順位はFIBAランク



文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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