FIBA

2023.08.21

元NBAノビツキーが来日会見で母国を応援「ドイツが勝つことを祈っています」

「やはりドイツが勝つことを祈っています」


Q.日本開催の世界選手権2006に出場されています。その際の思い出はありますか?また、今回の日本対ドイツの勝敗予想もお願いします。

タフな質問ですね(笑)。やはりドイツが勝つことを祈っています。ワールドカップでは最初に自信を持つことが大事。いいプレイをしてビッグな勝利を勝ち取ることがモチベーションに繋がるので、 勝てたらいいと思います。ただ一番努力をしたチームが勝つことを願っています。ワールドカップの舞台は雰囲気も良いはずなので観戦も楽しめるはずです。2006年は初来日でした。本当に楽しかった思い出があります。 確か8位で終わったのですが、当時のドイツとしてはいい結果でした。多くのファンといい交流ができたことも大切な思い出で、この大きなステージでプレーできたことを本当に感謝しています。

Q. FIBA U19ワールドカップ 2023を視察されていました。日本代表の印象はいかがでしたでしょうか?

日本戦は1試合見ました。本当におもしろいチームでしたね。とても興味深くてタレントも多く、シュートもできてとてもおもしろい動きができて、ちゃんと動ける選手たちでした。先ほどお伝えしたとおり、バスケットボールは全体的に成長していて若い 世代の成長を感じます。日本にも同様にそれを感じました。


Q.トレードマークであるワンレッグ・フェイドアウェイについて、NBAの現役の中でうまく使っている選手は?

まずワンレッグフェイドウェイが使われ続けていることを誇りに思います。重要なのがバランスとコートビジョン。それさえあれば、覚えるのはそんなに難しくないです。 なので、今でもいろんな選手が利用しているのをとても楽しんで見ています。さらにレベルアップにつなげればいいなと思います。

Q.NBAについて、1チームにスターが集まる傾向についてどう思いますか?

1999年頃、シカゴ・ブルズの大ファンでした。マイケル・ジョーダンやスコッティー・ピペンのファンでしたが、実際にNBAに行くとなった時はダラス・マーベリックスに入ることしか考えていませんでした。コーチや選手、ファンの皆さんととてもいい関係を築くことができたからこそ、ずっとチームに居続けられて本当に良かったと思います。NBAでプレーしはじめたころは、自分がそこに残れるか不安に思っていましたが、皆さんのサポートと努力でロスターに居続けることができました。自分の家族もダラスのコミュニティの一部になって本当に素晴らしい経験をし、貴重な時代を一緒に過ごすことができたと思います。当時は同じチームに残って、一生懸命そのチームに合わせていくというやり方が普通でした。しかし今は、選手を集めて一緒に優勝を目指すほうが選ばれていると思います。私は家族のことも考えて、1つのチームに残ることを考えていましたが、今はもう時代は変わっているかもしれません。

Q.今回観光はしましたか?

残念ながら今回は観光できません。昨日日本に到着して、本日フィリピンに飛び立つので今回は無理です。また来日する時は家族を連れてきたいですね。家族は日本に来たことがないので、楽しみです。

Q.近年、NBAではヨーロッパの選手がシーズンMVPを獲得しています。アメリカ代表も国際大会で苦しい試合をしたりしていますが、バスケが世界的なものになっている状況をどう見ていますか? 

まずアメリカは今でも最高の選手を集められたら勝てると思います。ただ、バスケットボール全体、業界全体がすごく成長していてヨーロッパに、アフリカ、アジア、中南米、アジアの選手のレベルもすごく上がっています。ここ20年間、25年間、本当にあのバスケ界全体が成長してきました。今でもアメリカがNo.1だと思いますが、他国との距離はすごく縮まってきています。僕がNBAでプレーしはじめた頃は、ヨーロッパ選手は少なかったですが、今は世界中の選手がいます。それだけ世界のレベルが上がっているわけです。

Q.現役時代のことで、今だから言えるエピソードを教えてください。

本当に長くいい経験でした。21年間も プレーし続け、ずっとトップレベルでプレイさせてもらえる選手はあまり多くはいないので、本当に自分はラッキーだったと思います。 元チームメイトとの関係、ロッカールームでのあのやり取り、仲間と一緒に各地を飛び回るというのをやはり恋しく思うこともあります。とてもいい思い出です。トップの選手と一緒にプレー、対戦できたことも本当によかった。とてもいい経験でした。最初は、バスケの今後の人生に何があるのかと疑問に思っていましたが、実際、子供との時間もありますし、世界中を飛び回らなければならないので、この4年間とても忙しかったです。

Q.代表経験はNBAで役立ちますか?

ナショナルチームは13から14歳の時からプレーしていて、国を代表してプレイできるのは、本当に誇りに思っていました。それを、この長く続けることができたことも本当にラッキーだったと思います。仲のいい仲間とかチームメイトなどと一緒に成長して、試合に出られるというのはいい経験です。そして、この経験を世界レベルでプレーする経験は、結果的にNBAにとっても良い影響があったと思います。夏に練習を続けて世界のステージで生かせることができたから、自分はより成長して、あのスキルを磨いた状態でNBAに戻れたのでとてもいい経験だったと思います。



文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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