NBA

2023.07.16

渡邊雄太がJr.NBAクリニックin JAPANに参加「シュートが入らなくても練習し続けることが大事です」

W杯では「自分が成長した姿を見せたい」

<記者に向けてのQ&A>
Q.NBAよるグローバルなプログラム、非常に意味のあることだと思うんですけど、 こういったイベントのメリットはどこにありますか?

「やっぱりこういう雰囲気の中でコーチに教えてもらったり、NBA選手と生で触れ合う機会は、なかなか日本にいるとない。こういう機会を子どもたちに与えることができればなとずっと思っていたので、 今回、お誘いをいただいたんで、ぜひやらしてくださいっていうことでやりました。もっとこういう機会が増えて日本からどんどんNBA選手が出てくれば本当に嬉しいなと風に思うし、NBA選手になった選手が子どもたちに経験とか技術を教えることができたら、どんどん日本のバスケのレベルも上がっていくと思うので、そういうふうになればいいなと思います」

Q.日本でも早い段階から海外に行くことの方が世界に通用するっていう流れがあると思います。渡邊選手もそうだと思いますが、海外の良さ、日本の課題というのはなんでしょうか?

「日本はまだ文化的にバスケットが根付いてないと思いますし、体育館の数も足りてないと思います。たくさんの人数が集中して1人1人の練習時間が長く取れないことがあると思うので、もう少し体育館が増えて少人数でできる環境が増えてくれば、もっと技術的にも上がってくると思います。ただ日本でも今やれる最大のことはやっていると思うし、最近クラブチームとかも増えてきて、別の環境できることも増えているので色々な環境でバスケをやることができれば、成長につながると思います」

Q.NBAに入るために最も大事なことはなんでしょうか?

「ブレないということだと思います。プロを目指すうえで、いろいろな壁に当たるので。上を目指すほど競い合わないといけないし、上にいる選手を相手にしなければいけなくなる。自信をなくす時期もあるので、いかに自分をブラさないか。自分がやってきたこと信じてやり続けられるかということが大事です」

Q.昨日もクリニックをやられていましたが、子どもたちからもらったものはありますか?

「子どもたちを見ていて、本当に元気で、楽しそうにバスケをやりますね。自分も調子が悪い時はバスケを楽しめない。調子がいい時期はバスケが楽しいし、楽しそうにバスケをやるねと言われるんです。そういうところは改めて学んだ部分、しっかりこれからもいい顔でバスケットをやりたいと思います」

Q.この年代にとっての必要なメンタリティは?

「やはり壁にぶつかるので、いかにぶれない強い気持ちを持って練習できるかですね。周りの大人がいかにその背中を押してあげる、サポートをしてあげるかというのが大事になってくると思います。子供たちだけではなかなかやりきれない部分があるので、だからこそ指導者もどんどんレベルが上がっていけば、子供たちのレベルもどんどん上がってくるじゃないかなと思います」

Q.クリニック中、笑顔が印象的でしたが、この時間は今後どう生きますか?

「すごくリラックスしてやれたと思います。仕事として依頼を受けてやらせてくださいという形でお願いしたんですが、来て子どもたちの顔を見た瞬間、仕事だというのを忘れて楽しんでしまいました。それがバスケのあるべき姿だと思いますし、楽しそうにバスケをやるのを見て、自分は仕事で稼がしてもらっていますが、バスケを仕事として捉えてしまうとこれ以上成長できなくなると思うので、バスケを始めたのは好きだからなので忘れずにやっていきたいと思います」

Q.日頃から発信している。これ伝わっているなと実感するタイミングはありますか?

「先程のQ&Aで自分が子供のころにやっていたことをやっている子がいましたが、ああいうのは自分が発信したことは伝わっているんだなと思いますし。あの質問はうれしかったですし、僕も練習環境がない中で親が考えて工夫してやってくれて、今につながっている。だから、あのシュート練習でも、できる環境でやれることを見つけてもらえたらいいですね」

Q.オフコートで意識していること?

「みんなの手本にならないといけないと思うので、日本でいうと子供たちはNBAなら僕か八村塁も見て育つと思うので、そういう意味では僕らはしっかりオフコートでもちゃんとしているというのを見せて、コート上だけではないんだよと見せられれば、子どもたちもバスケだけをやっていくわけではないので。伝えていきたいですね」

Q.子供たちからの純粋な質問を受けての感想を教えてください。

「とにかく元気だな、明るいなというのと、なかなかシーズンが始まると子どもたち相手にQ&Aをやる機会はないので、子どもたちを相手に質問に答えるのはいつもと違って楽しかったです」

Q.唯一の武器といったらなんですか?

「去年、ようやく3Pシュートが武器として、言えるぐらいの形にはなったかなと思っています。自信を持って打てているので今後も、武器としてやっていかないと厳しいかなと思っているし、さらに伸ばしていきたいです。

Q.今日は教える立場としてどんなことを考えていましたか?

「昨日とちがって年代が一つ下がっていたので、自分も楽しんでいる姿を見せたり、よりバスケを楽しいんだよと感じてほしかった。言わなくても子どもたちは楽しんでいましたけどね。年代が変わると教え方もかわるかなと思うので、喋り方とかをこうしようとかは考えていました。ダンク、ブロックは見せてあげたいなと思っていました」

Q.子どもたちからエネルギーをもらってワールドカップでどう活躍したいですか?

「日本でワールドカップやれる、本当に一生に一度の経験だと思います。僕自身がアメリカでプレーしているので、日本のお客さんの前でプレイすることができない中で、自分が成長した姿を見せられたなと思っています」

Q.子どもたちからの質問に対して“努力”という言葉を使っていましたが、渡邊選手にとって努力とは? その結果、得たものを教えてください。

「自分の目標や夢を叶えるためにはやっぱ絶対当然欠かせないものだと思っています。NBAで生き残っている選手はみんなが努力していますし、そうでない選手は努力ができてなかたり、環境について言い訳をしたりする選手がすごく多いんです。それを5年間NBAの中で見てきて勉強させてもらって部分もあるし、そこは今後も継続して努力は続けていかなきゃいけないなと感じています。

それと努力を続ければ、継続すれば、何かしらの形でご褒美が返ってくるなというのは節目で思っていました。あきらめそうになった時もありましたし、もうやめようかなと思った時もあったんですけど、もう1年頑張ろう、もう1年頑張ろうと続けていたら、結果として残るようになってきた。すべての努力が報われるとは思わないですけど、少なからず何かしらのご褒美が自分に返ってくるんじゃないかなと思います」

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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