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2022.01.20

“ヒナタイム”到来!! 鈴木妃乃(ノースアラバマ大学)ブザービーター・ハーフコートショット成功

 日本時間1月20日(北米時間19日)にアメリカ、ケンタッキー州ルイビルにあるベラミン大学のホームコート、フリーダムホールで行われたNCAA女子バスケットボールのベラミン大学対ノースアラバマ大学(以下UNA)戦の前半終了間際、日本から留学して2年目を迎えているUNAの鈴木妃乃がハーフコートの距離からブザービーターとなるロングショットを成功させた。ハーフタイムまで残り4秒でボールを手にした鈴木は、ドリブルでセンターラインを一歩越えた地点から思い切りよくリリース。虹のような美しい弧を描いて飛んでいったボールは、前半終了のブザーとほぼ同時にみごとにゴールを射抜いた。

 

鈴木のハーフコートショットの映像

(Video courtesy of ©UNA Athletics/ESPN, No infringement intended)


この劇的ショットをテレビクルーは以下のように表現している。


実況: ギルがしっかり止めて、残り4秒でボールはスピードあふれる鈴木へ。ハーフコートまで来ました…。おぉっ! 決めました!! フリーダムホールは“ヒナタイム”です!!
Excellent challenge from Gill and four seconds for the speedy Suzuki. Half court…. Woah! She’s got it!! It’s Hina time in Freedom Hall!!


解説: 今の鈴木妃乃にはあらゆる称賛ができるのではないでしょうか。残り6秒でスピードに乗ってボールを運んできてチームのために何かやってやろうというプレーでしたね。
I mean what can you not…, what can you not say about Hina Suzuki right there? I mean she…, there were six seconds left. She was speeding the ball up the court to make something happen for her team.


鈴木はこの試合で、第3Q終了間際にもブザービーターとなるドライビング・レイアップを決めるなど、37分間の出場で12得点、6リバウンド、6アシスト、3スティールの大活躍で72-48の快勝に大きく貢献した。


この一戦は、UNAが所属するアトランティックサン・カンファレンス(以下A-SUN)の公式戦。UNAにとってはA-SUN2021-22シーズンの3試合目だ。UNAはタフな試合を組んだノンカンファレンスの日程では5勝7敗と負け越したものの、A-SUNではこの日の勝利で2勝1敗となり、カンファレンス西地区2位の好位置につけている。


その中で鈴木は、ここまでUNAが戦った15試合すべてに出場しており、出場時間も平均26.2分と長い。特にスターターを務めるようになった直近6試合では平均38.7分に上っており、チームの信頼と期待の大きさが感じられる。


シーズンアベレージの7.3得点、2.5リバウンド、4.8アシスト、1.0スティールは、スティール以外いずれも昨シーズンを上回っている。日本時間の昨年12月22日(北米時間21日)の対パデュー大学戦で記録した11アシスト、日本時間1月9日(北米時間8日)の対ジャクソンビル大学戦での22得点はNCAAディビジョン1におけるキャリアハイ。大阪桐蔭の司令塔として2017年のウインターカップでチャンピオンとなった実力を、本場アメリカでいよいよ発揮し始めた鈴木。昨シーズンは半ばで左ヒザ前十字靭帯を断裂して離脱したが、今シーズンは“ヒナ・タイム”がまだまだ続きそうな勢いだ。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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