[皇后杯準々決勝]ENEOSが46大会連続のベスト4進出

[皇后杯準々決勝 第2試合]

 三菱電機コアラーズ対トヨタ紡織サンシャインラビッツ戦に続いて行われたENEOSサンフラワーズ対シャンソン化粧品シャンソンVマジックの皇后杯準々決勝第2試合。

 ENEOSはWリーグで今シーズン11勝1敗と好成績を続けているが、その1敗を喫したのがシャンソン。76-80とディフェンスが崩れての敗戦だった。そうした苦い経験から、「負けたくないという思いが強かった」とキャプテンの岡本彩也花は明かす。その言葉のとおり、この日は出だしからENEOSが気持ちの入ったプレーを見せた。渡嘉敷来夢、梅沢カディシャ樹奈がインサイドでアドバンテージを取り、次々に加点し、一気に点差を2ケタに広げた。しかし、そこからシャンソンも反撃。スクリーンを多用し、スキをついては積極的なシュートで打開していく。2Qに入ると奥山理々嘉、林咲希が3Pシュートで差を開きにかかるが、シャンソンは佐藤由璃果、小池遥らのシュートなどで盛り返す。ディフェンスでも足がよく動き、ENEOSのターンオーバーを誘発、46-40と6点差まで詰めて折り返した。

 

渡嘉敷来夢(ENEOS)

 

 ENEOSの佐藤清美HCは「小池選手にしっかりとプレッシャーをかけ、オフェンスの起点をしっかりと抑えるように」と指示。岡本も「リーグ戦で負けたときは、小池選手にやられたので、自分が責任を持って抑えなければ」と気持ちを入れ直した。攻めては再び渡嘉敷がゲームを支配し10連続得点でチームを鼓舞。シャンソンのディフェンスがインサイドに縮まると今度は林咲希、岡本彩也花が3Pシュート攻勢を浴びせる。再び渡嘉敷、梅沢がゴール下を攻め立て、インサイド、アウトサイドが効果的に機能し一気に点差を20点以上に広げた。

 78-56で迎えた最終Q。シャンソン化粧品も何とか反撃のきっかけをつかもうとするが、ENEOSがしっかりとゲームをコントロールしペースを渡さず、92-64で逃げ切り。ENEOSは共同石油時代から続く46年連続の皇后杯ベスト4入りを果たした。

 

佐藤由璃果(シャンソン)

 

 敗れたシャンソンの李玉慈HCは「完敗です」と第一声。「ここへきて故障者も多くなり、(後半は)ビッグマンを抑える選手のファウルが重なっていました」とインサイドを抑えきれず、理想の展開には持ち込めなかったことを認める。キャプテンの小池も故障者が多く出られる選手が少ないことは認めつつ「試合に出られる選手が、一人一人自分の役割を果たさないと」反省を口にした。

 一方、昨年の皇后杯で右膝前十字靭帯断裂の大ケガを負った渡嘉敷は「チームは頑張って優勝してうれしかったのですが、自分はコートに立てない悔しいさが強く残りました。今大会は優勝はもちろん、最後までコートに立ち続けたい」と力強く語った。

 皇后杯ファイナルラウンドは12月16日には残る準々決勝、デンソー アイリス対日立ハイテク クーガーズ、トヨタ自動車 アンテロープス対富士通 レッドウェーブの2試合を開催。12月17日の休息日を挟んで18日に準決勝、19日に決勝戦が行われる。

 

(飯田康二/月刊バスケットボール)

 

 



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