八村塁、渡邉雄太、馬場雄大、全員集合の日本代表快勝

海外経験の価値を物語る八村、渡邊、馬場の成長

 

渡邊と八村がともにプレーしたのは2年前のFIBAワールドカップ2019以来だったが、連係もしっかりとれていた(写真/©JBA)

 

 それにしても、八村のプレーぶりはすごみがあった。チームとしては格上の相手に対し、果てしなくメンタルエッジを感じさせる余裕のプレーぶり。試合後にコート上で行われたインタビューでは、「まず皆さん、お久しぶりです。2年前にワールドカップを終えてから大法戦をやっていなかったんですけれど、こうしてまた皆さんの前でプレーできることに、すごく感謝しています。うれしいです。応援ありがとうございました」と笑顔であいさつした後、自身の出来を振り返って「そうですね、まあまあでしたね」とさらりと言ってみせた。

 

 オフボールでもオンボールでも動じることがない。相手と対峙するときにフィジカル面で絶対的な自信を感じる。3Pエリアでもミドルレンジでも、ドライブでも、「このオレを止めようと思っているのか?」というオーラが発散されている。ベルギー代表に、八村の心を乱す要素はまったくなかった。

 

 渡邊はその八村をフィーチャーするオフェンスで、八村とともにこれ以上ないほど強力な1-2パンチとなっていた。八村に続いて登場したコート上でのインタビューでは、「ドライブした人たちがオープンの僕を見つけてくれて、良い形でシュートを打てていました。味方の良いパスのおかげで得点が稼げたかなと思っています」と連係の良さを強調。ディフェンスでのハッスル、ベンチでチームを鼓舞する姿勢は変わらない。

 

 八村が冷徹さなら渡邊は対照的な熱さ。異なる個性を同時にコート上で表現し、チーム全体をけん引していた。「まだまだ反省点はありますけど、今日はチームとして良い形でずっと40分間プレーでき、かなり成長した姿を皆さんに見せれたかなと思います」と渡邊は勝利を振り返った。

 

 馬場がきっちりと攻め、手厳しく守り続けたことも大きな要素だった。初戦のこの日、ターンオーバー4つをネガティブな要素と捉える必要はない。観戦された人すべてに、意欲と決意が強烈に伝わったのではないだろうか。結果がついてくるのは時間の問題だろう。

 

同郷の先輩後輩同士の馬場と八村は、渡邊とともに明らかにあきらかにこのチームの核だ(写真/©JBA)

 

 

 海外組の3人を中心とした日本代表だが、12人の結束もいっそう深まってきている様子がそこここで感じられた。東京オリンピックに向けたチューンナップは残すところ18日(日)の対フランス代表戦のみ。2020-21NBAシーズンの最優秀ディフェンシブ・プレーヤー、ルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)らを中心とした世界でもトップクラスの破壊力を持つチームを相手に、日本代表はどんな戦いを見せるだろうか。17日(土)の女子代表戦も含め、期待が膨らむ週末だ。



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