月刊バスケットボール6月号

八村塁、渡邉雄太、馬場雄大、全員集合の日本代表快勝

この試合で男子日本代表は初めて本番向けの12人全員がそろった(写真/©JBA)

 NBAワシントン・ウィザーズでプレーする八村 塁、オーストラリアNBLメルボルン・ユナイテッド所属の馬場雄大が合流し、ついに海外組を含めメンバー全員がそろったバスケットボール男子日本代表が初の実戦の機会を迎えた。そのパフォーマンスは、個々としてもチームとしても、大きく期待を膨らませるものだった。

 

見えてきた「世界を驚かせる戦い」

 

 7月16日にサイデン化学アリーナ(さいたま市記念総合体育館)で行われた日本生命カップ2021は、日本代表が1週間前に沖縄アリーナで黒星を喫した相手であるベルギー代表と再戦する機会だった。FIBA世界ランキング42位の日本代表にとって、同37位のベルギー代表は格上だが、この日の日本代表は終始相手を圧倒し、87-59で勝利した。

 

積極的にゴールにアタックする八村

 

 八村と馬場の合流前に行われた前回の対戦では、日本は試合終了直前に決勝3Pショットを決められ70-73で悔しい敗北を喫した。その2日後には、同じく沖縄で行われたフィンランド代表との試合にも71-76で黒星。ベルギー代表と同じくフィンランド代表も格上(FIBAランキング32位)であり、内容としても大健闘ということはわかっていても、さらに上位の相手とばかり対戦する東京オリンピックで、「世界を驚かせる」という目標を掲げるチームとしてはやや迫力不足の経過をたどっていた。

 

 しかしこの日は序盤から主導権を握る展開となった。スターターは八村、馬場、渡邊雄太(トロント・ラプターズ)の海外組にエドワーズ ギャビン(千葉ジェッツ)、田中大貴(アルバルク東京)の5人。平均身長は201cm、バックコートの田中と馬場でも195.0cmというビッグラインナップが躍動した。

 

 エドワーズがティップに勝ち最初のオフェンスは日本。馬場が滑り出しからアグレッシブなドライブを見せる。ターンオーバー…。しかし、身体的にも運動能力的にも強力な相手のペイントに、ファーストタッチから果敢に攻め込む姿勢を見せた。

 

 リエタン・オバソハンのフリースローで先制された後、返しのオフェンスでは田中とエドワーズがツーメンプレーでペイントに攻め込み、田中のロブを受けたエドワーズが豪快にアリウープ・ダンクを決めてさっそく逆転した。ベルギーもジャンマルク・ムエマのレイアップでリードを奪い返したが、今度は渡邊からのパスを受けた八村が3Pショットを成功させ5-3。序盤の攻防できっちりやり返した後、ベルギー代表のオフェンスがそれらしい脅威となることはなかった。

 

 

ブレイクからレイアップを決める渡邊。日本代表は誰かれなくよく走っていた

 

 八村はフィールドゴール14本中9本を成功させて24得点。渡邉も第3Qまではすべてのショットを成功させる効率の良さで15得点(最終的にフィールドゴールは6/8、そのうち 3Pショットは3/4)を奪った。帰化枠のエドワーズは10得点(フィールドゴール4/5)に加えて6リバウンド、6アシストとオールラウンドな活躍。馬場は得点こそ6にとどまったが、ゲームハイに並ぶ7リバウンドにアシストも2本あった。



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