バスケ男子日本代表、ベルギーの残り2.6秒決勝弾で黒星

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チーム全体の仕上がりと課題

 

 チーム全体として試合への入り方が悪く、最後に粘りきれなかった流れからは、試合に向かうまでと試合中の内面のアプローチに関して未完成な印象を持つ。しかし、国内組だけで長い時間つないでいける力をみせた点は大きな収穫だった。

 

 チーム力が向上していることは十分示されているので、途中離脱した渡邊と張本のケースを含めコンディショニングをしっかりして、向上したチーム力を最大限、40分間コート上で発揮することが重要だ。

 

 30-45と苦しめられたリバウンドは少しでも改善したいところだ。オフェンスリバウンドは前半0-9、試合を通じては1-15とまったくとれなかった。特に前半は13-27(オフェンスでは0-9)。その結果セカンドチャンスでの得点で日本は2-12と差をつけられた。際どいところで拾いきれなかったルーズボールも含め、拾いきるための運動量と集中力で相手に上回られたとともに、第1Qはショットセレクションの悪さが相手にボールを拾われる要因になった印象だ。リバウンドについては、本稿後半に収録したエドワーズの試合後コメントでも語られている。

 

 ディフェンスではジレに11本の3Pショット・アテンプトを許し、7本決められたことが直接的な敗因と言える(チームとしては30本中13本決められた)。ペリメーターでの1対1、それに対応する後方のローテーション、そしてゾーンディフェンスでの5人の連係に磨きをかけることも課題と感じられた。効果を感じられる戦術を実践しているので、動きの精度を高めたいところだ。個別には10人いずれも好材料を見つけられるないようだったのであり、ディフェンスのみならずオフェンスでも連係を高めていくことでチーム力は確実に高まるはずだ。

 

☆個別パフォーマンス
※スタッツの略号: P=得点、FG=フィールドゴール、3P=3Pショット、FT=フリースロー、R=リバウンド、A=アシスト、S=スティール、B=ブロック

 

#2 富樫勇樹 (千葉ジェッツ)
7P, FG2/3, 3P1/2, FT2/2, 3A,1S

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 運動量が攻守とも多く、相手に高いプレッシャーをかけ続けていた。ほしいところでショットメイクができていたのは、激しい動きで相手を揺さぶり、適切なスポットに適切な時にいることができたからだろう。残り12.2秒に絶対に外せないフリースローを2本決めきったことも、勝負強さをいま一度印象づけた。

 

#6 比江島 慎(宇都宮ブレックス)
11P, FG2/6, 3P1/1, Ft6/6, 2A,2S, 1R

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 立ち上がりを含めターンオーバーが3度あったのが残念だったが、アグレッシブさが攻守に感じられ、それが得点にもつながった。フリースローは、渡邊が離脱した直後に交代して放った2本を含め6本すべてを成功。大舞台で必ずこのような重要な1本を決めなければならないときがやってくるだろう。そのときに対する準備は十分できていると感じる。

 

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