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2021.02.19

弓波英人(NCAAディビジョンIジョージアサザン大学3年生) - 夢の続きを描く2021年の春(2)

NCAA公式戦デビューはフレッシュマンシーズン初戦

2年次には2ケタ得点も記録

 

 GSUは、フロリダ半島北部と境界を接するアメリカ南部ジョージア州の、フロリダ州との州境に近いステートボロという町にある。「とにかく田舎なんです。本当にもう、何もないので、家にいるか、クラスにいるか、体育館にいるかで、正直バスケをやるには最高の環境ですね」と弓波は町とキャンパスの雰囲気を説明した。そこで弓波は一人暮らし。両親はノースキャロライナ州にとどまっているという。
ジョージアサザン大学が属するサンベルト・カンファレンスのバスケットボールは、アメリカ南部の7州にある12大学が東西2つのディビジョンに分かれてリーグ戦を行い、シーズンの最後にカンファレンスチャンピオンシップで王座を決めるのが通例。今シーズンのGSUは2月13日現在で6勝7敗(ノンカンファレンスを含めると12勝10敗)の成績で、イーストディビジョンの6チーム中4位だ。弓波の出場機会は多くはないが、コートに立つたび堅実なプレーぶりを見せている。
奨学金がつかないウォークオンの立場での入学だったが、両親は全力でサポートしてくれている。渡米自体も我が子の夢を後押しすることを最優先に考えた決断だったが、GSU進学後もそのスタンスは変わっていない。「僕をすごくメインにしてくれる両親なので、本当にありがたい環境です。僕がバスケットボールをしたいと言ったからアメリカに来たので、頭が上がらないですね、両親には…」
入学後の弓波は、2018年11月7日のカーヴァー大学との試合で実戦デビューを果たす。弓波お気に入りのGSUキャンパスにあるホームアリーナ、ハナー・フィールドハウスで行われた2018-19シーズンの開幕初戦。1,214人の観衆が見守る中、弓波は4分間コートに立ちフィールドゴール3本中2本成功による4得点にリバウンドとアシスト1本ずつを記録。139-51の圧勝に貢献した。
この日の試合を含め、弓波はフレッシュマンだった2018-19シーズンに8試合に出場して平均1.0得点(FG60.0%、FT100%)、0.5リバウンドのアベレージを残した。
続く2シーズン目には9試合に出場して1.7得点(FG42.9%、FT100%)、0.2リバウンド。2019年12月6日のこれもカーヴァー大学との試合では、10分間の出場でキャリアハイの11得点も記録した。この試合での弓波は3Pショット3本とフリースロー2本のすべてのショットアテンプトを成功させてみせた上に1リバウンド、2アシスト、2スティールという活躍ぶりだった。そして現在進行中の2020-21シーズンは2月13日現在で4試合に出場して2.8得点、0.8リバウンドと、アベレージとしてキャリアハイの数字を記録しているところだ。
また、弓波はフレッシュマンのときからチームが試合前にコートに入ってくる際に先頭を切って走ってくる。小柄なウォークオンがファイトする姿勢はコーチングスタッフとファンの心をつかんでおり、ウォークオンという言葉のイメージからは想像できないような信頼と愛着を得ているのだ。
オフコートでの弓波は、学業成績優秀者として表彰されるディーンズリストに過去2年連続して選出されている。この出来事はアメリカにおける“ホーム”ノースキャロライナのローカルメディアがニュースとして伝えていた。高校までの弓波を知る現地の人々にとって、弓波が期待の存在であることがわかるエピソードだ。
弓波はまた、サンベルト・カンファレンスのコミッショナーズリスト(満点を4.0とするアメリカの学業評価基準GPAで3.5以上を達成した学生アスリートに対する表彰)にも2年連続で選ばれている。(パート3に続く)

パート1から読む

 

GSUのコート入りは弓波が先頭。チームに勢いをもたらす存在になっている


(月刊バスケットボール) 



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