【FIBAWC現地レポート】大敗するも世界No.1のレベルを肌で感じ取ったアメリカ戦

 同グループの4チームで総当たり戦を行うFIBAワールドカップ2019の1次ラウンド。ここまでトルコ、チェコに連敗を喫した日本は9月5日、いよいよ世界No.1のバスケットボール大国・アメリカとの試合に臨んだ。序盤から鮮やかなプレーを見せるアメリカに対し、攻防の両面で圧倒された日本。#6比江島や#18馬場らが果敢に攻めて好プレーを見せたものの、45-98で大敗となり、改めて日本の現在地を思い知らされる結果となった。

 

 

「ドリームチーム(アメリカ)は1Qから本当に隙を与えなかった」とラマスHC。開始8秒で#15ウォーカーがバスケットカウントを獲得したのを皮切りに、アメリカは1Q開始4分で13-0とスタートダッシュに成功して主導権を握った。逆に日本は相手の圧の強いディフェンスを前にシュートがこぼれ、消極的なミスも出るなど動きが硬い。2Q以降、比江島が倒れ込みながらドライブを決め、馬場が連続得点を決めるなど見せ場を作ったが、余裕の展開を見せるアメリカを苦しめるには至らなかった。最後は45-98でタイムアップ。リバウンドでは25本、アシストでは18本、3P成功数では11本の差を付けられ、完敗となった。

 

 ただ、序盤から点差が開いたこともあり、この試合は途中で控え選手たちもプレータイムを長くもらって全員出場。同じコートに立って初めて知れるNBA軍団の速さ、強さ、プレーの精度を、一人一人が肌で感じ取った。また、アグレッシブに攻めて18点を挙げた馬場は、「雰囲気にのまれて最初から“個々の勝負”になってしまった」とチームプレーの少なさを反省する一方、「今までやってきたことは間違いではないと感じました」と、個人として手応えも掴んだ様子だ。

 

 

 厳しいマークに苦しみ、本領発揮とはならなかった八村も「来年にはオリンピックもあり、アメリカのような強いチームと対戦した経験がこれからにつながっていくと思う。世界1位のチームがどれだけのものか感じることができたのは良かったと思います」と先を見据えている。それに、これで今大会1次リーグは3戦全敗に終わったが、ニュージーランド(Fグループ3位)、モンテネグロ(Fグループ4位)との17-32位決定戦が残っている。世界で1勝を挙げるチャンスがまだ残っている限り、敗戦に落ち込んでいる暇はない。“歴代最強”の呼び声は高いが、まだまだ発展途上にある男子日本代表。残りの試合で、少しでも次につながる収穫を持ち帰りたいところだ。

 

 

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(月刊バスケットボール)



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