【最新・月刊バスケットボール6月号】チーム作りの達人たち(片峯聡太/福岡大附大濠高)

 県内の同じ地区に全国上位レベルのライバルが存在する福岡大附大濠高。弱冠31歳の片峯聡太コーチが、強豪として全国でも有名なチームを率いて感じた難しさ、重圧、苦悩…。それでもこれまで継承されてきた“個の自立”を目指して指導する片峯コーチのフィロソフィーとは――。

 

大濠で継承されてきた
〝個の自立〟が指導の根底にある

 

――故・田中國国氏からチームを引き継いで何年目になりましたか? これまで、苦労した点はどのようなことでしたか?

「9年が終わって、10年目に入りました。ありがたいことに、中学時代に県の選抜やアンダーカテゴリーの日本代表に入っている選手たちを預かる機会が多い中で、個の育成とチームの強化が交わるところを見付けることが難しかったです。これは今でも日々感じています」

 

――片峯コーチ自身もOBである福岡大附大濠高(以下、大濠)は、全国大会へ出場することは当たり前で、さらに上位進出も求められているチームです。コーチになることで、その重みやプレッシャーというものはありますか?

「必死です(笑)。私は目の前の選手たちをより良くしたい、個を高めたいと思っています。そして、チームに対して求められているものに対して、どれだけの結果を出すことができるか、というものも一つの評価としてあります。
私のやりたいことと、求められていることのバランスの難しさに悩み、いろいろと田中先生にご相談したことはありました」  

――大濠で田中氏が指導する時代を含めて、代々受け継がれてきたことがあると思います。その中で、片峯コーチが継承していること、また新しく取り入れたことなどを教えてください。

「〝個の自立〟です。一人の選手を人間として選手として育てて次のステージへと送り出していくことが、私が田中先生から継承している、大切にしていることです。もちろん、私が指導する上で根底にあるものだと思います」



PICK UP