月刊バスケットボール12月号

Bリーグ

2025.10.30

大塚裕土(アルティーリ千葉)が今季限りでの引退を発表

10月12日の越谷アルファーズ戦での大塚。この試合で今季初めて3Pショットを成功させた(写真/©B.LEAGUE)

アルティーリ千葉のキャプテンを務める大塚裕土が、1029日に千葉ポートアリーナで行われたアルバルク東京戦後に会見を行い、今季限りの引退を発表した。


現在38歳の大塚は、クラブ創設初年度の2021-22シーズンからA千葉に加わり、初代キャプテンとして今季で在籍5年目を迎えている。「THE GREAT HISTORY BEGINS」というキャッチフレーズとともに「5年でBリーグ王座獲得」の大胆な目標を掲げたA千葉は、その間にB3からB2、B1へと昇格を達成。大塚個人も一昨季、昨季と2年連続でB2のベスト3P成功率賞を受賞するなど、キャプテンとしての重責を果たしながら、最大の持ち味であるショットメイクの能力をいかんなく発揮してきた。





プロキャリア16年目となる2025-26シーズンの大塚とA千葉は、クラブ創設当初の目標を達成できるチャンスとともにB1の舞台に立っている。その状況での突然の引退表明は、A-xxA千葉ファンの愛称)を驚かせる知らせに違いない。しかし「1秒でも長くコートに立てるようにしっかり準備していきたい」と話す大塚は、今季の戦いに向けた意欲をこれまでと変わらず高く維持している。

昨季はスターターの座をチームメイトに譲り出場時間も大幅に減らしながら、レギュラーシーズン最終戦でベスト3P成功率賞をさらう活躍で、A千葉を57勝3敗、勝率.950というB2歴代最高勝率新記録樹立と念願のB1昇格に導いた。2020-21シーズン以来のB1の舞台となる今季は、この日まで出場機会が6試合で平均4分に満たないが、その中でも3P成功率は40.0%を維持している。

B2から昇格したばかりのA千葉は、この日のA東京戦にオーバータイムの末94-98で敗れ、その時点で4勝6敗と黒星が先行している。しかしここまでの10試合でB1の強豪クラブ、名門クラブ相手に粘り強く戦いながら、試合を経るごとに改善点を見つけては修正を重ねてきており、今後台風の目にもなってくる可能性もありそうだ。クラブ創設からの功労者の引退を受け、クラブ内の勝利に向けた意欲もさらに高まっているに違いない中、引退発表で内面的により研ぎ澄まされた状態にもなるだろう大塚が、A千葉をどのようにけん引していくかは、引き続き今季の大きな注目事項だ。







文/柴田健

タグ: アルティーリ千葉 大塚裕土

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