月刊バスケットボール10月号

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2025.08.12

【WUBS2025】Day3レポート——高麗大が決勝でデ・ラサール大を破り初優勝、3位に日体大

4WUBS2025World University Basketball Series2025=ワールド・ユニバーシティ・バスケットボール・シリーズ)が811日に最終日を迎え、決勝ほか3試合が行われた。昨年と同じ高麗大(韓国)とデ・ラサール大(フィリピン)の対決となった決勝は高麗大が95-85で勝利し、昨年のリベンジを果たして初優勝。MVPには司令塔のムン ヨヒョンが選ばれた。


日本学生選抜と日体大で争われた3位決定戦は、後半日体大が攻勢を強めて86-72で快勝。またシドニー大(オーストラリア)と国立政治大(チャイニーズ・タイペイ=NCCU)の間で争われた5-6位決定戦は、NCCUが序盤の劣勢を跳ね返して77-67でシドニー大を下した。

この日、国立競技場代々木第二体育館には、スペシャルサポーターを務めた韓国の人気ボーイズグループ「n.SSign」(エンサイン)が来場し、熱戦を見守ったほか華やかなパフォーマンスで来場者を盛り上げた。また、日本勢同士の対戦だけでなく個々の来日チームを応援するファンからの熱烈な声援が飛び交う場内は、異文化が混ざり合い祖国愛がぶつかり合う国際大会ならではの熱気に包まれた。その雰囲気はまさしく大学バスケットボールの真夏の祭典。WUBS2025は大成功のうちに幕を閉じた。

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5-6位決定戦:NCCU 77-67 シドニー大

Day3の初戦は両チームがビッグランを交互に展開する見応え満点のゲームとなった。序盤はシドニー大のペース。212cmのハリー・エバンスの3点プレーで先制すると、ジェイク・ウェインステインとロビー・ムーアの3ポイントショットも続き、試合開始から123秒で9-2とリードした。その後もムーア、エバンス、イギー・ミッチェルの3Pショットなどで得点を重ねたシドニー大は20-4とさらに点差を拡大。NCCUもエースガードのソン シンハオを中心に挽回を図るが、前半を終えた時点でもシドニー大が44-37でリードしていた。

しかしNCCU3Qのスタートから5分間の14-7のランで51-51と追いつき、さらにそこから9-2の攻勢をかけ60-53と形勢を逆転。以降はリズムを失ったシドニー大のオフェンスが精度を失う一方でNCCUのショットメイクが冴え、そのまま勝利となった。この対戦は昨年の3位決定戦と同じ顔合わせだったが、シドニー大は1年越しのリベンジならず。5位の座にはNCCUが就くこととなった。

3位決定戦:日体大 86-72 日本学生選抜

昨年5-6位決定戦を戦った両チームが、今年は3位の座を争って再度対戦し、昨年に続き日体大が勝利した。日体大はDay2までの2試合で平均得点が59.5と、オフェンス面で思うようなプレーができずにいたが、80点越今大会最終戦は目指す展開に持ち込んだ。藤田将弘HCは試合後、「今日は若い日本学生選抜を相手にしっかりライオンズのバスケットボールをやっていこうと話して、そのとおり進められました」と話した。

日体大は西部秀馬がゲームハイの24得点を挙げ、コネ ボウゴウジィ ディット ハメードも22得点に16リバウンドのダブルダブル。日本学生選抜ではキャプテンの佐藤友(東海第2年)が前日に続き11得点に9リバウンドとしぶとい活躍を披露した。日本学生選抜を率いた西尾吉弘HCは、合宿を含めチームを率いた6日間を、「日に日に成長が見られ、今日も疲れが出ている中でも最後までやろうとする姿勢、戦い続ける姿勢を見せてくれました。このチームでWUBSを戦えてよかったです」を振り返った。

決勝戦:高麗大 95-85 デ・ラサール大

高麗大は効果的なゾーンディフェンスと伝統のシュート力で序盤からリードを奪い、デ・ラサール大の執念の追い上げをかわしてWUBSでの初タイトルを手にした。オフェンス面ではフォワードのユン キチャンが前半だけで20得点に到達する爆発ぶりで、最終的に3Pショット6本を決めて26得点。エースガードのムン ヨヒョンは942秒という少ない出場時間で3P6本中3本、2P7本中6本を決めて21得点を挙げた。軽快なクロスオーバードリブルで相手を揺さぶりわずかなスキをついて長距離砲を炸裂させたムンのプレーは、代々木第二に集ったファンを大いに沸かせた。


決勝でのムンは韓国A代表に選ばれるだけの実力をいかんなく見せつけた

デ・ラサール大ではマイク・フィリップスが30得点、12リバウンド、6アシストにスティールとブロック1本ずつ。ムンとマッチアップしたガードのキーン・バクラーンも18得点と意地を見せた。両者を軸に20点差以上のビハインドを最後まであきらめず追い続けた戦いぶりに、場内は「ゴー・ラサール!」の大合唱。フィリップスは「感動して、ものすごく力を出すことができました」と敗れたものの誇らしげだった。


泥臭くリバウンドやルーズボールに食らいつき、相手ビッグマンをはねのけてレイアップをねじ込んだフィリップスの活躍も印象的だった

☆最終順位
優勝 高麗大
準優勝 デ・ラサール大
3位 日体大
4位 日本学生選抜
5位 NCCU
6位 シドニー大
7位 フィリピン大/HKU(香港大)

文/柴田健

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