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2025.08.08

【WUBS2025】いよいよ8月9日(土)開幕! 大会直前展望


日体大に立ちはだかるシドニー大の「壁」
Game3——日体大 vs シドニー大(15:10~)


この一戦の大きな見どころは、どちらがリバウンドを制してトランジションゲームに持ち込めるかに集約されそうだ。高さ自体というより、トランジション・オフェンスをどれだけ得点に結びつけられるか、どれだけ阻止できるかが勝負を分ける。


チーム内に大きな動きがあった日体大では、キャプテンの早田流星が担う責任をチームとして共有して一丸となることが最重要事項かもしれない(©月刊バスケットボール)

両チームのロスターを見ると、日体大にはスプリングトーナメントでリバウンド王に輝いた207cmのコネ ボウゴウジィ ディット ハメード(3年)、200cmの新入生サー シェッハと200cm超えのビッグマンが2人いる。ただし両者を除くと190cm以上の選手は登録されておらず、平均身長183.9cmはシドニー大の190.9cmに比べ7cm低い。シドニー大には212cmのハリー・エヴァンスという3年生の新戦力が加わっており、190cm以上は6人。最も小柄な1年生ガードのジェシー・ウェインステインでも182cmある。サイズではシドニー大が優位と言えそうだ。

ただしシドニー大は、WUBS2024でチームのスコアリングリーダーだったマティー・ウェイチャーら昨年の主力がいない。日体大相手にサイズのアドバンテージをフル活用できるかどうかは、正直なところやってみなければわからない。

逆に、日体大が持ち味であるスピードに乗った平面的なバスケットボールの威力を十分発揮するには、リバウンドで相手を苦しめた上で、月岡煕らガード陣のそつないプレーメイクと西部秀馬らウイング陣の高確率なショットメイクが欠かせない。また何より、春先までエースとして活躍した小澤飛悠がプロに転向した今、サイズ面で上回るシドニー大の壁を乗り越えていくには、キャプテン早田流星の下で一致団結できるかどうか。WUBS2025初戦は冬に向けての試金石。注目しよう。

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フィリピンと韓国の王者同士の熱戦に期待
Game4——フィリピン大 vs 高麗大(17:10~)

Day1の締めくくりは、フィリピンの王者フィリピン大が韓国の王者である高麗大と対戦する。


エースガードのムン ヨヒョンの離脱中に存在感を増している1年生ガードのヤン ジョンユン(FIBA U18アジアカップ2024より ©FIBA)

フィリピン大は昨年末のUAAPファイナルでデ・ラサール大の連覇を阻止して王者となっただけでなく、この7月まで行われていたプレシーズントーナメントでも王座に就いたチームだ。プレシーズントーナメントでは、予選リーグでデ・ラサール大に首位を譲ったが、同大とのUAAPファイナル再戦となったセミファイナルで83-78の勝利をつかむとファイナルでもナショナル大に79-65で快勝。現在好調の波に乗っている。

高麗大は78月が国内リーグ(Uリーグ)のブレイク。その間の強化とコンディショニングの詳細は未確認だが、発表されたロスターには離脱していたエースガード、ムン ヨヒョン(문유현)が含まれている。韓国A代表にも選出された実績があり、WUBS2024 ではベストディフェンダー賞に輝いたムンはぜひとも注目したいタレント。また、Uリーグでムンが離脱していた期間に代わって活躍してきた新入生のビッグガード、ヤン ジョンユン(양종윤、190cm)のパフォーマンスも見逃せないポイントだろう。フィリピン大にはハロルド・アラルコンという188cmのスコアリングガードがおり、両チームのバックコート陣がどのようなせめぎ合いを見せるかが、この一戦の勝負に影響を及ぼすカギとなりそうだ。

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3日間見どころ満載のWUBS2025をお見逃しなく!

4強に名を連ねるチームが明らかになるDay1の結果いかんで、その後の見どころは変わる。とはいえ、日本勢は両チームとも、初日の結果いかんによらずDay2は何らかのタイトルを保持する強豪との対戦。どのように転ぶとしても、Day2以降も見応え満点の試合が続く。

別の視点からは、今回はフィリピン勢同士のファイナルになる可能性もあり、それはUAAPファイナルの再現となる。フィリピン大とデ・ラサール大はUAAPファイナルではフィリピン大が21敗、プレシーズントーナメントでは11敗とほぼ互角の対戦経過をたどっている激熱のライバル関係。仮にファイナルでの顔合わせにならなかったとしても、WUBS2025で両者の対戦が実現するとなれば激戦必至だ。…というように、見どころ満載のWUBS2025。チケットはもう入手されただろうか? 世界から集う大学生プレーヤーたちの情熱あふれるプレーで、真夏のバスケットボールの祭典をぜひ楽しんでほしい。

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文/柴田健

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