【スポルディング×月バスWEB 2024 Vol.2】市船橋、新たなユニフォームと共に新たな伝統の構築を──


スポルディングのウェアと新たなスタート

そうした内面的な変化と共に、もう一つ大きく変化したものがある。ユニフォームだ。星野コーチの就任に合わせてウェア関係をスポルディングに切り替えたことは、最も目に見えた変革である。

星野コーチは監督就任にあたって、「自分の色を出していくこと」も一つのテーマとしていた。ユニフォームの変更については「どう自分の色を出していくかを考えているときにお話をいただいて、『これしかない!』と思ったんです。ユニフォームは本当に大事で、絶対に粗末にしてはいけないものです。今は自分の名前が入って、背番号も自由番号になったので、自分の名前と自分で選んだ番号と共に3年間を過ごすわけです。だからこそ、ユニフォームはもちろん、リバーシブルなどのウェアも大切に着てもらいたい」と、その思いを口にする。

こだわったのはカラーリングだ。伝統のグリーンは継承しつつも、「緑は緑でも、明るい黄緑のような色から、深い緑までさまざまな種類がありますよね。最近は明るめの緑が多かったのですが、今回は深い緑にすることを決めました。さらに深緑の中でも数種類のカラーを提案していただき、最終的にはスポルディングさんが市船にしかない深緑「ICHIFUNA GREEN(いちふなグリーン)」を作ってくださったんです。それと、私の時代は紫色のユニフォームを着ていて、ユニフォームが徐々に移り変わる中でも、やっぱり紫というのはずっとどこかに入っていて、私も大事にしていきたい色でした。新しい緑に紫を融合させたくて、このカラーリングになりました」と星野コーチ。



近年、はやりの短いパンツの丈にもこだわりがあり、「パンツを折ってまで短くするのは見栄え的にちょっと…という思いがあったので、それなら最初から短く履けるように作っていただきました。私個人としてもすごく気に入っているポイントです」と満足げな表情を見せた。

新ユニフォームをお披露目したときには選手たちから歓喜の声が漏れたという。菊田も「初めて見たときはすごくうれしかったですし、シンプルに格好良いなと思いました。自分が選んだ背番号に、名前まで入っているのでプロや大学生みたいだな、と。着心地もすごくフィット感があって、もっとムキムキになったらピチピチに着られそうなので楽しみです(笑)。ここからは千葉県では負けないようにしていきたいです」と声を弾ませた。

ユニフォームはや組織全体の一体感を高め、菊田の「千葉県では負けないようにしていきたい」という言葉に象徴されるように、チーム全体の士気をも高めてくれる。

また、スタッフ陣のウェアや練習試合などで使うリバーシブル、ロゴマークも合わせて刷新。特にロゴマークについては「市船にはαマークが校章としてあって、今までのどの代もαマークを練習着などのいろいろなところに着けて活動してきました。そんなαマークを使ってシンボルのようなロゴを作ってほしい」とスポルディングに相談。上向きの矢印を模したサークルロゴが完成した。



ロゴマークの作成もチーム再構築の一翼を担ってくれると星野コーチは言う。「パッと見て『あ、市船だな』と分かるようなものがあるといいなと思っていました。個人的にこのデザインはすごく気に入っていて、矢印が『ここから上に行くぞ』という思いを感じますし、シンプルにすごく格好良いなと思っています。スタッフのウェアにもロゴマークを入れてもらって、今の時期であればハーフジップのものなど、周りの人があまり着ていないものにしていただきました。『市船はスタッフも格好良いものを着ているよね』と言ってもらいたいです」

シンプルな強さを追求するチームと、星野コーチと菊田の言葉を借りるならば「シンプルに格好良い」ユニフォーム。公式戦でのお披露目は、今月の関東大会予選になる予定だ。市船橋の新たな伝統が幕を開けた──。



スポルディング・ジャパン
https://www.spalding.co.jp/


文/堀内 涼(月刊バスケットボール)

タグ: スポルディング 市船橋

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