月刊バスケットボール6月号

Wリーグ

2024.03.29

奥山理々嘉、新たな主戦場を日立ハイテクに移してスーパーサブとして飛躍中

スーパーサブの役割を担ったシーズンを振り返る


Wリーグは来シーズン(2024-25)から2ディビジョン制が採用されるため、今シーズンのレギュラーシーズンは今まで以上に重みのあるリーグ戦だった。というのも、レギュラーシーズンの結果が上位8位以内に入ればプレミアリーグ、しかし下位6チームであればフューチャーリーグとなるからだ。

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そんなハードなリーグ戦を戦い抜いた日立ハイテク クーガーズは、第11週、3月2日に8位以上が確定し、第25回Wリーグのプレーオフ進出及び2024-25シーズンのWリーグプレミアへの参加が決定した。そして最終的にはトヨタ紡織サンシャインラビッツと14勝12敗の同率で並んだものの、対戦間のゴールアベレージで惜しくも7位。3月30日のプレーオフのセミクォーターファイナルでもトヨタ紡織と対戦することとなった。

その日立ハイテクでスーパーサブとして活躍しているのが、今季ENEOSから移籍してきた奥山理々嘉だ。ENEOSでの昨季(2022-23)は、平均得点6.55、平均アシスト0.25、平均リバウンド3.30。移籍後の今シーズンは、平均得点9.24、平均アシスト0.80、平均リバウンド5.28で、6番手での出場ながら数字を伸ばしている。さらに特筆されるのがリバウンド総数、132本でチーム№1をマークし、プレータイムも4番目の長さだった。



――今シーズンは日立ハイテクに移籍して、試合には6番手で出ることが多かったですが、控えから出るという難しさを感じていますか?

「最初はシックススマンで出る難しさを感じていました。でも、出ている時間で自分が得意としている点を取ることやリバウンド、ディフェンスで貢献しているのを内海(知秀)ヘッドコーチに評価してもらっていると思います。今の役割はシックススマンですけど、大事な時間帯で出ることや、接戦の試合でも出る時間が長いので、とにかく出た時には自分のやるべきことをやるというのを徹底しています。もちろん、スターターにはスターターの大変さもありますが、今は控えから出ていく経験を積んでいると思っています。ですから、いつ出るかは関係なく、どんな時でも試合に出たらやるべきことは変わらないと割り切って頑張っています」

――ディフェンスの自信はだいぶついてきたのではと感じましたよ。

「そうですね。今シーズンはスイッチした時に以前よりも思い切りよく動けていると感じます。ENEOSにいた時もディフェンスを頑張っていたんですが、そこが自分のネガティブな部分でオフェンスが得意な分、ディフェンスがウィークポイントと思ってしまっていました。まだまだ足りないところはありますが、少しずつ自信を持ってアグレッシブにプレーできるようになってきたと思います」

――内海HCから求められてることや、課題などについて何か言われていますか?

「とにかく私のよさは思い切りシュートを打ったり、4番でミスマッチになった時にゴール下でプレーができること。それが武器だと思ってるし、内海HCも『そこは思い切って!』と言ってくれます。最近は、もうちょっとゴール下でアタックしていけとも言われていますが、特に細かくいろいろなことは言われていません。ですから、私としては余計なことは考えずに、その時に何が足りないかを考えてプレーするようにしています」

――内海HCにチームについてお聞きしたら、「このチームにはまだ柱がいない」というふうにおっしゃっていました。奥山さんはどう感じていますか?

「そうですね。自分が出ている時にはしっかりやろうと思っているし、大事な時や困った時に点を取ったり、リバウンドを取ることは心掛けています。確かにその部分で『日立ハイテクにはこの人』という人はいないかもしれません。でも、今はとにかく自分のポジションを責任を持ってやろうと思っているところです」






取材・文/飯塚友子、写真/ⓒWリーグ

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