女子日本代表、恩塚HCがパリ五輪初戦でのアメリカとの再戦に「当然勝ちにいきます」

恩塚HC「3年間の成長を、学びをぶつけられる機会にしたい」



Q.アメリカ、ベルギー、ドイツと同組になりました。

「まず感じたのは“来たな”という感じで楽しみというのを一番多く感じました。東京オリンピックで戦って得た課題を回収すべく、この3年間強化してきたので、それをもって成長した自分たちでしっかり戦いたいなと思っています。ベルギーにしてもドイツにしても強豪国で、ベルギーはヨーロッパチャンピオンですし、ドイツも年々ステップアップしていますし、WNBAのスター選手も加わって戦力アップするので手強いなと思います。ただOQTで私たちは強豪国に対して、いい準備をすることで成長して、大会に臨めました。この機会を成長につなげていきたいなと思います」

Q. 初戦でアメリカと対戦します。

「東京オリンピックの決勝以来となるアメリカ戦という意味では、すごく感慨深いなと思っています。だからこその3年間の成長を、学びをぶつけられる機会にしたいなと思っています。当然勝ちにいきます」

Q. 最初におっしゃった、来たなというのは気持ちが高ぶったということでしょうか?

「高ぶりましたね。眠れなくなっちゃいました(笑)。(リアルテイムで見ていて) 色々考えました。その後は寝てないですそれで朝7時からコーチミーティングをして、またどうしようかと話していました」



Q. パリまでに伝え続けていきたいことは?

「勝つ形がOQTで大分はっきりしてきたと思うので、その勝つ形を大事にしながら、 一方OQTでまだ不合理なところとか正確さに欠けるところがあったので、 そこは一つ成長のポイントにしたいなと思っているのが一点と、これから3チームのゲームを分析しながら、勝てるポイントをちゃんと見つけて、それを繋げて勝ち筋を共有して、だからここを頑張るんだとか、こうやったらこうなって好循環が生まれるよねという戦うストーリー、台本というのか、これで戦おうというのを示したいなと思っています」

Q.OQTでは走り勝つシューター軍団というキャッチフレーズでしたが、パリに向けては?

「走り勝つシューター軍団は、日本の最高の強みで、センターピンのような、一番やらなければいけないことだと思っているので、それもやり続けます。先ほどお話したところで、東京オリンピックの決勝戦からここまでの成長の中で、個々のスキルだったり、チームで組み立てるということを上乗せしてきました。スクリプトということを使ってきたので、個のレベルは上がっていると思っています。その上で、成長した選手がいかにチームとして戦えるか、総力戦で戦いたいと思っています。その総力戦といってもチームとして戦えない時もあるんですよ。チームワークがほつれちゃうというか、空回りしちゃったりとか、噛み合わせが良くなかったりとか、そういうところが何なのかというのをOQTでいくつか掴めているので、成長したことを崩れないチームにして、総力戦、ここが一つ大きなところで戦う武器になると思います。それが日本の強みになると思っているので、総力戦という言葉も1つのキーワードかなと思っています」



Q.対戦する3チームのバスケの印象について

「あっさり言うと、アメリカはオールスター軍団で気づいたら点差が開いちゃうという感じ。当たり前のことを当たり前にやってきます。それが雪崩のように押し寄せてくる感じなので、そういう状態を作らないことが一つの鍵になるだろうなと。ドイツはカナダ人のヘッドコーチがいて、カナダでやっていたムーバーブロッカーとかそういうシステムをしつこくやってくるチームで、そこにそのWNBAのスターが加わってスコアラーになってくると思うので、そこの噛み合わせを悪くさせることが一つポイントかなと思っています。ベルギーは代表チームとして洗練されているという印象があります。1つ1つのプレー、あらゆるディフェンスに対するカウンターをちゃんと持っている。そういう中でどういう時にグラつきが出るか、そういうところに見つけていきたいなと思っています」

Q. ベルギーとアメリカは東京大会でも戦いました。先日のOQTでベルギーはアメリカに79-81と接戦を演じています。それはアメリカの力が落ちてきているのか、ベルギーが伸びているのか、どう見ていますか?

「どちらもあると思いますね。ホームで調子に乗っていた感じもありました。そのシュートも入っちゃうんだっていう感じもあったので。その初戦の難しさは、あまり練習期間の短さであったのかなということも思います。リスペクトを持ちながらも、したたかに勝てるところ探す。そのためにこれからビデオを見ていこうかなと思っています」

Q.(直前に会見をやっていた)ホーバスさんと組み合わせについて何か話はしましたか?

「先ほどすれ違った時にあいさつしただけですね。合宿で一緒になるんで話す機会もあるかなと思います」





文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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