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2024.04.14

【第3回WUBS】昨年大会王者NCCU(国立政治大/チャイニーズ・タイペイ)、2023-24シーズンも優勝し、無敗記録を更新中

☆チャイニーズ・タイペイのバスケットボール


日本最西端の与那国島から約111kmしか離れていないチャイニーズ・タイペイは、バスケットボールの歴史においても日本と盛んな交流を重ねてきた。初代FIBA事務総長の名を冠して1977年から行われているウィリアム・ジョーンズカップへの日本代表男女チームの参加は友好の象徴。コロナ禍で2020年から3年間中止になったものの、昨年再開されている。

本文で紹介したユー アイジェは、河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)と高校時代に対戦したことがあるといい、「河村選手のようにプレーしたい」と公言するほど昨今の河村の活躍に感化されている。日本とチャイニーズ・タイペイは、それだけお互いに影響を及ぼし合える身近な存在なのだ。


FIBAアジアカップ2025予選のフィリピン戦で得点を狙うユー アイジェ(写真/©月刊バスケットボール)

チャイニーズ・タイペイには、これも本文に出てきた通りプロリーグが二つあるほかセミプロリーグも存在する。EASLEast Asia Super League)の2023-24シーズンでニュータイペイキングスが琉球ゴールデンキングスと、台北富邦ブレーブスが千葉ジェッツと熱戦を繰り広げたことを見ても、今後さらに地域内のリーグが活性化する期待感もある。NCCUWUBSで大きな成果を残したことで日本との交流もいっそう盛んになっていくのではないだろうか。

NCCUとは

NCCUは国立政治大学のアルファベット表記である「National Chengchi University」の略記で「エヌ・シー・シー・ユー」と読む。政治家をはじめとしたチャイニーズ・タイペイの有力人材を輩出しているエリート大学の一つ。バスケットボール部の創部は2017年と歴史としてはまだ若いが、名将チェン ツーウェイ(陳 子威)HC指揮下のUBA4連覇が示す通り、大学バスケットボール界でもトップに君臨している。グリフィンズ(Griffins=ギリシャ神話などに登場する聖獣、鷲獅子)という正式なニックネームがあるほか、ファンからはしばしば政大雄鷹(Zhengda Eagles)とも呼ばれている。

WUBSでは2022年の第1回大会で3位に入り、昨年初優勝。今夏はディフェンディング・チャンピオンとして来日することになる。


昨年のWUBS決勝で戦況を見つめるチェン ツーウェイHC。「強みはチームとしてプレーできること」と話していたが、現在のロスターもバックコートにもフロントラインにも頼れるタレントがそろい、主力のみならずベンチプレーヤーの貢献を十分期待できる顔ぶれだ(写真/©月刊バスケットボール)

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文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

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