月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2024.02.26

富樫勇樹と西田有志のトップアスリートとしての“こだわり”

バスケットボール日本代表の富樫勇樹と、バレーボール日本代表の西田有志は、共にスポーツサポータ-&ケアブランド「ZAMST(ザムスト)」の契約選手という共通点がある。対談の後半は2選手が、トップアスリートとしての“こだわり”を語ってくれた。

【対談前半】富樫勇樹と西田有志の異色クロストーク「西田選手は『先輩にも関係なくグイグイくる』という話どおりの人だった」




高校卒業後の“選択”が今の自分につながる

──キャンペーンの「その選択で、結果が変わる」にちなんで、今の自分に最も大きく影響した選択は何でしょうか?

富樫 アメリカの高校に留学したのはもちろんそうですが、高校を卒業してアメリカの大学に行かずに日本に戻ってきたことは意外と…。プラスという言い方が正しいかは分かりませんが、もしかしたらその選択が良かったのかなと年々思うようになりました。
 もしアメリカの大学に進んでいたら、試合にそこまで出られていない可能性やコートでも5番手のオプションだった可能性が高かったと思います。日本に帰ってきてからはファーストオプションとして試合に出ることができているので、それが今のプレースタイルにつながった部分はかなり大きいと思っています。

西田 僕も似た感じですが、大学に行かずに高卒でVリーグに入ったことです。高卒の選手はいまだに2、3人ぐらいしかいないんです。一般的には大学で結果を出してVリーグに入るという流れですが、そこを選ばずに直接Vリーグ入りを選択したのは結構大きかったです。やってみようというところからここまで来ているので、その選択が今も生きていると思います。

──現時点で、自身のキャリアの最高潮なプレーや試合は何でしたか? 

富樫 僕、もしかしたら全中の決勝戦とかになるかもしれません(笑)

西田
 めっちゃ前や!(笑)

富樫
 それくらいしっかりとした思い出というか、バスケ人生の中でも大きな思い出の一つでした。その年は地元の新潟県で大会が開催されていて、チームの監督が父親(富樫英樹/現開志国際高コーチ)だったんです。試合自体も接戦で、すごく記憶にありますね。



西田
 僕は今の時点ではそういうのはないなぁ。「これ!」というのは自分の選手人生が終わるときに言いたいという思いがあるんです。今は目標がいっぱいあるので、それが終わって、選手が終わってから振り返る方がいいかなと思うんです。例えば優勝したときは当たり前にうれしいですけど、それはただその結果がうれしいだけなので。それこそ、オリンピックでメダルを取ったら、最高潮となるかもしれませんが、今はないですね。

──選手としての究極の姿はどんなものだと思いますか?


西田
 僕は昔からバスケットボールが好きったから、マイケル・ジョーダンが発する言葉の全てが格好良いと思うところがあったんです。そういう選手になれたらいいなと。僕自身が尊敬というか、影響を受けた側の人間なので、そういう選手でありたいなと思います。

富樫
 僕は西田選手の言うジョーダンのような存在はあまりいないかもしれません。正直、あまり分からないというか。ほかの取材などでも「響いた言葉は?」と聞かれるのですが…もちろん、いろいろなすばらしい監督と一緒にプレーしてきましたが、一つの言葉を覚えているとか、それがプレーに影響してか何かが変わったという記憶はあまりないんですよね。僕はバスケを始めたときと変わらず、楽しくバスケができるように終わりたいなと思っています。変なプレッシャーというか、周りの声のどうこうを気にせずに、楽しい気持ちのまま引退できたらうれしいですね。自分の人生なので。

──試合での理想のパフォーマンスはどんなものでしょうか?


富樫
 やっぱり、選手としては自分がしっかりと活躍して勝利や優勝を得ることができたら良いなと思います。

西田
 そうですよね。選手である以上、自分たちの仕事は試合で結果を残すこと、勝つこと。それに尽きますね。「それだけ」とは言わないですが、そのための練習ですし。「一番のパフォーマンスは?」と聞かれたら行き着く答えではありますね。

富樫
 気持ちとしてはそうですよね。チームスポーツなので、コートに立てなくてもチームを支えてくれる選手がいるのはもちろん分かっています。でも、選手としてはやっぱり活躍してチームを勝利に導きたいという思いが第一です。




PICK UP