月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2024.02.24

富樫勇樹と西田有志の異色クロストーク「西田選手は『先輩にも関係なくグイグイくる』という話どおりの人だった」(富樫)

バスケットボール日本代表の富樫勇樹と、バレーボール日本代表の西田有志は、共にスポーツサポータ-&ケアブランド「ZAMST(ザムスト)」の契約選手という共通点がある。かねてより親交があり、お互いの競技を観戦することもあるという2人が、「月刊バスケットボール」とその姉妹誌「月刊バレーボール」、そしてザムストのトリプルコラボによって異色のクロストークを展開してくれた!

「大きい選手には負けたくない」という共通点

──まずはお二人の現在の関係性や知り合ったきっかけを教えてください。

西田 富樫選手が柳田(将洋)さんと一緒の事務所で、以前、柳田さんとインスタライブをやっていたことがあったんですよ。それを僕が見ていて、富樫選手のインスタをフォローさせてもらったことが始まりだったと思います。

富樫 いつだったかな?東京オリンピックの前ではあって、コロナ禍よりも前だったので2018、19年あたりだったと思います。でも、ちゃんと会って話をしたのは最近なんですよ。僕も西田選手も東京オリンピックには出場したので、会場などですれ違ったことがあったくらい(笑)

西田 トレーニング施設も別々だったので、トレセン(味の素ナショナルトレーニングセンター)で僕が一度挨拶に行ったくらいで、今はイベントがあるときなんかにたまに連絡を取る感じですね。

──お互いの第一印象は?

富樫 第一印象というか、西田選手に会う前に『先輩にも関係なくグイグイくる人』という話を聞いていたので、そのイメージどおりでしたね(笑)

西田 間違いないです(笑)。僕はもともとバスケをよく見ていたので、富樫選手のことも知っていましたし、話せるのならうれしいなと思っていたんです。でも、交わりもない初対面だったので、さすがにいきなり距離は詰められなかったですね(笑)

富樫 もともとがそんなに接点があったわけでも、トレセンでも会ってすごく話す関係でもなかったので、お互い試合があるときはテレビなどで見るくらいだったと思います。

──西田選手は富樫選手の第一印象はどんなものでしたか?

西田 Bリーグになってからバスケがよりメディアに取り上げられるようになって、僕が最初に見たのが富樫選手でした。それがあったので、すごいなというのが第一印象でありましたし、バレーもバスケもやっぱり身長の競技じゃないですか。世界的には身長が2mを超えているのが普通で、その中で結果を残すのは長身の選手よりも難しいこと。だから、それをずっと維持してトップでやり続けていることに対して、すごいなという感情はありますね。

富樫 でも、まだまだお互いに素を隠している部分が多いです(笑)

西田 まずは一回ご飯に行かないとですね(笑)

──では、この対談でぜひ素を出してもらえればと思います(笑)。バスケとバレーをやっている上でお互いのプレーや競技の共通点は何か感じますか?

西田 やっぱり平均身長が同じぐらいの競技なので、“大きい選手には負けたくない”という気持ちは共通していると思います。僕、富樫選手がそれに近い旨の発言をしている記事を前に見たことがあったんですよね。僕自身、高卒でVリーグに入ったときに(小さいから)ナメられている感覚がすごくあって。絶対この人たちには負けたくないという闘争心はあったんです。

富樫 それはありますね。競技的な面で言えば、逆に同じアリーナスポーツで球技ではありますが、フィジカルコンタクトの有無でバスケとバレーは大きく異なるのかなと感じていますね。それによってトレーニング仕方なども変わってくるかもしれませんし、バレーは相手とぶつかり合うことは基本的にはないと思うので、そこは2つの競技の大きな違いになってくると思います。



──お互いの競技の魅力は何だと思いますか?

富樫 バレーの魅力は、やっぱり生で見る迫力ですね。昨年、東京で行われた「FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023」を会場で見させていただきました。もちろん、テレビで見ていてもボールの速さは…特に男子は基本的に目では見えないくらいの速さのイメージだったのですが、生で見るとまさにそのまま。気付いたらコートにバウンドして高くボールが上がっていることがあるので、そのスピード感はすごいなと思いますね。サーブとか、絶対受けられないと思います。受けてみたいですけど、絶対ムリだな〜(笑)

西田 僕はそれこそBリーグだけでなく、NBAも見ているんですよ。というのも、両親がバスケの元実業団の選手だったので、ずっと前から見ていましたね。NBAを見るときなどは特に思うのですが、もちろんダンクもすごいと思うんですよ。でも、そこよりもドリブルの切り返しのスピードなどを見てしまいますね。今はネット社会なので、ドリブルの技術などの動画も上がっているじゃないですか。そういうのも見たりするのですが、僕らはそういう細かい部分の速さは見えないので、『今何が起きたん!?』って。そこからのステップバックスリーを決めたりするのは本当にすごいです。僕らも練習の合間にバレーボールでシュートを打ったりするのですが、全然入らない(笑)。あれを入れるのは本当にすごいと思います。バレーもそうかもしれませんが、どうボールの動きを読んでいるんだろうかとかを、観客というよりもスポーツをやっている人の目線で見てしまいますね。

富樫 それ、すごいな〜。僕はスポーツを観戦するときは基本的にファン目線が多いですね。それこそ、バスケの試合を見ていてもそうなので。何かを自分のプレーに取り入れようというよりも、シンプルにすごいな、面白いなという感覚で見ているので、そこまで深く考えずに見ることが多いです。ほかのスポーツを見ているときも、一人のスポーツファンとして楽しんでいることが多いですね。

西田 僕はバレー選手の中では身長がないので、とにかく跳ばないといけないと考えていて、走り高跳びや短距離走の選手の一歩目の出し方などを高校時代からずっと研究していたんです。だから、逆に普通にスポーツ観戦ができないんですよ。自分でもその観戦の仕方は『疲れるな〜』と思いますけどね(笑)。でも、さすがに昨年の「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」は燃えました。あのときくらいですね、本当にファン目線で応援したのは。

──お互いに一人のアスリートとして尊敬している部分はどこでしょうか?

富樫 西田選手はかなり若くして日本代表でも活躍していますし、正直、こんなに若いとは思っていなくて(笑)。年齢よりも大人っぽいイメージはずっとあります。え、今何歳?

西田 24歳になりました。

富樫 6歳も違うんですよ(笑)。そうは見えないですし、若くして大活躍しているのはすごいなと思いますね。

西田 富樫選手はずっと第一線で活躍していますよね。プロである以上、自分が今の富樫選手と同じに年齢になったときにここまで活躍できる保証はないので、ずっと結果を残し続けているのはやっぱりすばらしいですよね。もちろん、僕らには分からない努力もあると思うので、そこに対してはとやかく話せません。でも、一番やっているだろうし、見えていない部分ではありますが、やっているんだろうからこそ、こちらも頑張ろうと感化される部分はありますね。




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