月刊バスケットボール7月号

Bリーグ

2024.02.09

2023-24アルティーリ千葉の進化

©B.LEAGUE

B219節(131日)終了時点で323敗、勝率.914という圧倒的な強さでリーグ全体のトップに立っているアルティーリ千葉。リーグ最高勝率(4713敗、勝率.783)で東地区制覇を成し遂げた昨シーズンの最終成績を上回る勢いの快進撃は、様々な形の進化を感じさせる。しかし、具体的にはどんなところが進化したのだろうか。5つのポイントに絞って数値で捉えてみた。
※以下、データはすべて第19節終了時点です

1. 修正力の高さで連敗回避


アルティーリ千葉は現時点で、B2全体2位で西地区首位の滋賀レイクス(2510敗、勝率.735=熊本ヴォルターズと同率)を7ゲーム引き離し、B2全体5位で東地区2位の越谷アルファーズ(2114敗、勝率.600)とは11ゲームの大差をつけている。その過程で18連勝というクラブ新記録も打ち立てた。

現時点での成績を昨シーズンと比較して目を引く相違点としては、まず同チームへの連敗がないことが挙げられる。週をまたぐ、あるいは週末と水曜ナイターでの連敗もない。ここまで3敗しかしていないのだから当たり前のように思ってしまうかもしれないが、昨シーズンの前半戦は山形が天敵のように立ちはだかり、最初の3度の対戦をすべて落としていた。対して今シーズンは越谷、青森、福島ファイヤーボンズに1敗ずつだけだ。

昨シーズンの1月は、当時のクラブ記録となる14連勝からの4連敗と大きな波に揺さぶられたが、今シーズンは悪い結果を引きずっていない。キャプテンを務める大塚裕土は、「いつかは負ける日がくるのであって、(連勝を18で止められたときに)キャプテンとしてどんな声がけをするかも準備していました」と話す。「目標は優勝と昇格」というリーダーの姿勢にブレがないことを感じ取ったチームメイトたちは、内面的な整理もできたに違いない。負の反動を最小限にとどめて連敗がゼロであるという点は、進化と捉えられるだろう。


世界的な戦績を誇るアンドレ・レマニスHCの指揮の下、今シーズンのアルティーリ千葉は安定感が一層増している(写真/©B.LEAGUE)





2. 接戦が少ない

今シーズンは接戦が少ないのも特徴だ。以下に示す通り、昨レギュラーシーズンは全日程の30%以上が2ポゼッションでひっくり返る点差(5点差以内)だった。しかし今シーズンは、それが15%にも満たない。

☆点差ごとのレギュラーシーズン勝敗数比較
2022-23シーズン(通算4713敗)
5点差以内 166敗(22試合=36.7%)
6-8点以内 42敗(6試合=10.0%)
3ポゼッション以上 275敗(32試合=53.3%)

2023-24シーズン
5点差以内 41敗(5試合=14.7%)
6-8点差以内 20敗(2試合=5.9%)
3ポゼッション以上 252敗(27試合=79.4%)

得失点差の平均も、昨シーズンの7.2から今シーズンは13.4に開いている。

ちなみに最終スコアが5点差以内の5試合はすべてアウェイ。勝利した4試合は昨年10月29日の滋賀戦(96-91[2OT])、12月上旬の越谷との2連戦(12月2日=68-65、12月3日=81-80)、そして1月28日に後半最大15点差のビハインドを逆転したバンビシャス奈良戦(78-76)だ。

5点差以内で敗れた唯一の試合は、114日にアウェイで戦った青森とのGame1だった。得点源のブランドン・アシュリーと木田貴明がコンディション不良で出場できなかった状況で、78-81で敗れている。ただし翌日のGame287-61の大勝。デレク・パードンが24得点と16リバウンド、前田怜緒は3Pショットを7本中5本沈めて23得点、アレックス・デイビスが14得点に11リバウンド、熊谷尚也も11得点と2桁に乗せた。新戦力がこぞって活躍したこの試合は、まさしくチームとしての進化がわかりやすく表れた試合と言えるのではないだろうか。


写真の前田怜緒を含む今シーズンの新戦力がそろって活躍した青森との一戦が18連勝のスタートだった事実も興味深い(写真/©B.LEAGUE)





大黒柱不在の苦境で前進するにはほかならぬ自分たちのステップアップが必要だということは、昨年のプレーオフの教訓だ。奇しくもそれを再確認したような青森遠征から18連勝は始まり、小林大祐が12月以降故障離脱しても、杉本慶がコンディションを崩して休養を取っても勢いを失うことはなかった。前田は後日、この敗戦を契機に「試合に臨む姿勢が変わってしっかり準備ができるようになりました」と話している。



文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: アルティーリ千葉 B2リーグ

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