黒川虎徹(アルティーリ千葉)、ホームデビューで大観衆沸かせる活躍——レマニスHCも絶賛「ううむ、すごい!」
目指すは日本代表のポイントガード
試合後の会見では、レマニスHCに続いて黒川も質疑に応じた。ホームデビューの総括を黒川は以下のような言葉で表現している。
「試合を通じて本当に全員がゲームプランを遂行していたことが良かったと思うことと、オフェンスにフォーカスするのではなくディフェンスでしっかり自分たちがやるべきことをやろうとしていたことが、結果につながったと思います」
自身のパフォーマンスについては、2つのターンオーバーと終盤やや停滞したオフェンスにおけるプレーメイクを反省材料として挙げた。良い場面がたくさんあった第4Qだが、最後の2分間にチームとして得点できなかったためか課題も感じたようだ。また、奈良戦Game2(11分27秒の出場で3ファウル)の反省を受け、19分4秒のプレータイムを1ファウルでしのげたことには手応えを感じたという。
レマニスHCが話したプロレベルのフィジカリティーについては、「大学と比べてフィジカルの強さ、コンタクトのし方、ずるがしこさがまったく違います」と実感している様子。強みとしているディフェンスについても、「オフボールの手の使い方もプロでは全然違うなと感じています」と様々な学びがあるようだ。「目指しているのは日本代表のポイントガードなので、遠慮なくルーキーらしくやっていくのが大切かなと思っています」というだけに、レベルアップに向けた意欲も非常に旺盛。チームメイトのガード陣(杉本 慶、大崎裕太と前田)の良い部分を取り入れたり、レマニスHCらとのコミュニケーションをより良くするために英語も勉強中とのことだ。
こちらは奈良でのBリーグデビュー2戦目。最大15点差を逆転して78-76で勝利したこの一戦で、黒川はBリーグ初得点と初アシストを記録した(写真/©B.LEAGUE)
東海大で最終学年にキャプテンを務めた黒川は、昨年春先の時点では苦戦続きだったチームを12月のインカレで準優勝に導き、自身も敢闘賞と3P王にも輝いた。小柄ながらチーム一丸となって戦い、一つ一つのポゼッションに高い集中力で臨む東海大の特徴を、そのまま体現するようなプレーヤーだ。この日のプレーにそんな個性を感じた人も多いことだろう。ルーキーらしく思い切りの良いプレーと、対照的にルーキーらしからぬ落ち着きや明晰なバスケットボールIQ。飛躍の準備は整っているように見えた。