月刊バスケットボール6月号

Bリーグ

2023.12.08

B2第10節までの注目ニュース5選――東はアルティーリ千葉、西はライジングゼファー福岡が首位

B2で快進撃を見せているアルティーリ千葉のキャプテン大塚裕土(写真/©B.League)

124日までに第10節を終えたB2は、各チームがレギュラーシーズン19試合を消化した。ここまでの展開を、第10節終了後の今週に入ってから明らかになったベルテックス静岡のB1ライセンス申請断念の一報までを含め、5つの注目事項に触れながら振り返ってみたい。


1. コート内外で快進撃! アルティーリ千葉

昨シーズンB1昇格に1勝届かずに終わったアルティーリ千葉が、開幕節から快進撃を見せている。第10節を終えて172敗(勝率.895)の成績はB2全体のトップ。東地区では2位の越谷アルファーズ(127敗、勝率.632)を5ゲーム引き離している。第10節にはその越谷とアウェイで対戦したが、GAME1は終盤に熊谷尚也のクラッチ3Pショットとスティールが飛び出し68-65で勝利し、GAME2も残り5秒からアレックス・デイビスが殊勲のティップインとブロックショットで越谷の追撃を絶ち、81-80で連勝という結果。スターティングガードの杉本慶とベテランフォワードの小林大祐が離脱した状態ながら、第11節を前に連勝を9まで伸ばしている。

A千葉の力強さはコーチングスタッフとプレーヤーだけのものではないようだ。オフシーズンにB1タレントの熊谷と前田怜緒、かつてB12度ブロック王となったアレックス・デイビス、昨シーズン豪NBLでオールNBLセカンドチーム入りというデレク・パードンを獲得し、11月に入ってからも中国出身で身長226cmのビッグマン、劉 傳興(リュウ チュアンシン)をアジア枠に迎え入れるという大型補強を見ても、トップマネジメントの今シーズンに向けた並々ならぬ意気込みがわかる。

千葉ポートアリーナでのホームゲーム平均入場者数は、117日のBリーグ発表時点で4,920人だったが、B1上位クラブにも肩を並べるこれだけの集客力は、裏方の支えとなるスタッフの献身抜きいは語れない。その後を含め第10節まで9度あったホームゲーム全体でも4,869人と高水準を維持している。今シーズンから親しみとともに“A-xx(アックス)”の呼称で呼ばれるようになった地元のファンが応援を楽しみ、その思いがチーム力に還元された結果としての好成績。この経過は、A千葉のチームとクラブ、そして彼らを取り巻くコミュニティーの総合力の成果と言えるだろう。





2. 10連勝後も好調を維持するライジングゼファー福岡

そのA千葉を、B2全体2位の154敗(勝率.789)の成績で追走しているのがライジングゼファー福岡だ。福岡は、1113日(第7節)の青森ワッツとのGAME1107-102で勝利して10連勝を達成した時点までは、リーグ全体トップの成績だった。


闘志あふれるプレーメイクでチームをけん引するライジングゼファーフクオカの司令塔、兒玉貴通(写真/©B.League)

プレーの特徴としては、現時点までアシストランキング10位のポイントガード兒玉貴通(平均3.7本)を一つの核として、得点源が分散していることが挙げられる。チームのリーディングスコアラーであるブライス・ワシントンは平均13.4得点で、これはリーグのトップ10に届かない数字。しかしパブロ・アギラール(12.7得点)、ギャビン・ウェア(11.8得点)、谷口光貴(11.0得点)まで4人いる2桁得点。兒玉貴通(8.5得点)、村上駿斗(7.9得点)、加藤寿一(7.6得点)らもコート上で脅威になっている。アギラールと谷口はそれぞれ3P成功率ランキングで8位(41.4%)と5位(42.1%)。ラモン・ロペス・スアレスHCのオフェンスには、相手が気を抜けるスペースがほとんどないのだ。

連勝が10で途切れた第7節の対青森GAME2と、翌週熊本ヴォルターズと戦った第8GAME1を続けて落としたほかには連敗がなく、修正力の高さも感じさせている。1月後半には、現時点で東地区1位・2位のA千葉と越谷に2週続けて立ち向かう。直近の第10節は、調子を上げてきたバンビシャス奈良とのGAME1で黒星を喫したが、まずはそれまで好調を維持できるか注目だ。






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