“ミスター・ナイスガイ”アレックス・デイビス(アルティーリ千葉)への期待
福島戦第2Qのデイビスのスラムダンク。この試合では攻守にデイビスの躍動が光っていた(写真/©B.LEAGUE)
昨シーズンB1昇格まであと1勝のところで悔しい思いをしたアルティーリ千葉は、オフの補強でより動けて大きなチームに進化を遂げることに注力した。それでなくても、B2イースタンカンファレンスのタイトルとB2カテゴリー全体の最高勝率を手にし、PPP(ポゼッションあたりの得点数)の観点からはB2最強オフェンスを誇ったチーム。しかし、アンドレ・レマニスHCはゴール近辺でのディフェンス力に改善の余地を感じていたのだ。
そこで白羽の矢を立てたのが、B1で2度ブロック王に輝き、かつどこからでも得点を狙えるアレックス・デイビスだった。彼が加わったアルティーリ千葉は、10月29日時点まで8勝1敗でB2全体の首位タイという好調な滑り出しを見せている。しかもオフの補強効果が色濃く、ブロックショット平均4.1本もリーグのトップの数字だ。
福島ファイヤーボンズを98-80のスコアで下した10月25日の試合後、12得点に6リバウンド、3ブロックで勝利に貢献したデイビスが会見場に姿を見せた。
「今日は最初からエナジー全開で試合に入ることができました。まだオフェンス・リバウンドの点では整理しないといけない部分がありますが、皆元気いっぱいだったし、ディフェンス面での奮闘やスカウティング・レポートに書かれていた細かな点にしっかり対応できたのですごく良かったです」
千葉ポートアリーナをクラブカラーのブラックネイビーで染めた,ホームファンの前で勝利を収めた直後のデイビスは、どこかほっとしたような雰囲気でこう語り、記者とのやり取りを始めた。しかし心はすでに次の週末の挑戦に向かって高まり始めている。「まだまだよくしていかなければいけないところがあります。すぐに切り替えて今度は滋賀(レイクス)と週末対戦するので、オフェンス・リバウンドを獲られたり不用意なターンオーバーを犯したりといった今回と同じミスを繰り返さないように頑張りたいと思います」と抱負を語っていた。
この試合では第3Q終盤に、デイビスの活躍が「A-xx(アックス)」の愛称で呼ばれるアルティーリ千葉ファンを喜ばせた流れがあった。このクォーターの残り約3分には、相手のブレイクをもう一人の外国籍ビッグマンのデレク・パードンと並走して追いかけ失点を阻止。200cm越えの二人が全力で突っ走る姿に場内は「うおおぉ!」というざわめきに包まれた。かと思えばそこから1分もたたず、今度は田渡 凌の果敢なレイアップをクリーンブロックし、さらに次のディフェンスでも同じ田渡がブレイクから試みたレイアップを豪快に叩き落とす獅子奮迅の活躍。水曜夜の千葉ポートアリーナはデイビスのブロックパーティーと化した。
田渡 凌のレイアップに襲い掛かるデイビス。豪快なブロックだった(写真/©B.LEAGUE)