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2023.10.31

EASL千葉ジェッツ第3戦展望――アウェイで外国籍スターが万全のTNTトロパンギガをしのげるか?

カギとなるホリス=ジェファーソン、ミラー、オフタナへの対応



クインシー・ミラーは全開の千葉J戦でゲームハイとなる22得点を挙げた(写真/©EASL)

CNNフィリピン支局は、1026日付の「TNT Tropang Giga eyeing redemption vs Chiba Jets in EASL home gameTNT)トロパンギガ)」と題した記事で、TNTトロパンギガのアシスタントを務めるサンディー・アレスコパチャガの「We just concluded a training camp in Inspire in Laguna and a big point of emphasis for us was getting in better shape(ラグナ州のインスパイアでトレーニングキャンプを終えたばかりですが、とにかくコンディションを高めていこうということを強調して取り組んできました)」というコメントを紹介していた。アレスコパチャガAコーチはやはり、元NBAのホリス=ジェファーソンとミラー、そしてアジア競技大会で61年ぶりの金メダル獲得に貢献したオフタナの名前に言及しており、この3人が40分間全力を出し切ることが、勝利に向けた一つのカギと捉えているようだ。


ワールドカップ2023アジア地区予選でのカルバン・オフタナ(写真/©FIBAWC2023)

ミラーとホリス=ジェファーソンは千葉Jとの初戦でそろって35分以上プレーし、ミラーが22得点に6リバウンド、ホリス=ジェファーソンが15得点に9リバウンドと一定以上の存在感は示していた。調子が上がらなかったのは3Pショットで、ミラーが5本中1本のみ成功、ホリスの方は9本のアテンプトすべてがミスに終わった。逆に言うと、この14分の114分の6程度になり、オフタナが調子の波に乗ると、18点の差は即座に打ち消されてしまいそうだ。それを思うと、「I think right now we’re in a better shape of course(もちろん、今の我々はずっといい状態ですよ)」というアレスコパチャガAコーチのコメントに不気味さが増してくる。

EASLフィリピン初開催のお祭り騒ぎがアウェイ感を強める?

今回はフィリピンでの対戦という完全アウェイで千葉Jが本来の力を発揮できるかという点も見どころだが、その観点ではEASL初開催であることが、さらにその“アウェイ感”を強める効果をもたらす可能性もありそうだ。会場となるサンタローサ・スポーツ・コンプレックスでは、試合とは別にシンガーやヒップホップ・ダンサーを招いてのパフォーマンスなどの催しが予定されているという。

EASLCEOで共同創設者でもあるマット・ベイヤー氏は、「What we want to do is put a stamp on it just like other geographies that the experience is uniquely Philippines(ほかの開催地と同じく、我々としてフィリピンならではの足跡を残したい)」と意欲的。「We are trying to create a special atmosphere(特別な雰囲気を生み出したいと考えています)」と話している。





チームとしての経験値を高めながら勝利をつかむチャレンジ

さて、こうしたTNTトロパンギガ側の情報とは別に、千葉Jの調子はどうか。Bリーグ2023-24シーズンにおける戦況は、1029日までの9試合を終えた時点で54敗のB1東地区3位だ。開幕節にアウェイで長崎ヴェルカに連敗を喫するなど、近年の常勝軍団らしからぬ不安定な序盤戦ではあるが、富樫が平均21.0得点でリーグ4位、5.6アシストもリーグ3位とハイレベルなパフォーマンスでチームをけん引。フロントラインでは、開幕節のGAME2から欠場が続いたジョン・ムーニーが、直近の2試合で続けて20得点以上と10リバウンド以上を記録するなど、頼もしい活躍を見せている。

EASL開幕戦で3Pショット6本を沈め18得点を奪った金近 蓮や、富樫のバックアップとして成長中の小川麻斗ら若手が安定感を増してくれば、自然とチーム力も高まるだろう。序盤戦とEASLは、彼らにとって経験を積む貴重な機会に違いない。それが海外遠征ともなれば経験値はいっそう高く、成長を後押しする要素になりそうだ。

そんな側面を含むチームとしての成長に、勝利という結果が伴うかどうか。ここまでの2試合のような爆発力を披露するのは簡単ではないだろうが、千葉Jにとって海外遠征での2度目のテストに注目しよう。


TNTトロパンギガとのEASL開幕戦で大活躍した金近 蓮(写真/©EASL)



文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: 千葉ジェッツ EASL東アジアスーパーリーグ

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