月刊バスケットボール6月号

MORE

2023.10.31

EASL千葉ジェッツ第3戦展望――アウェイで外国籍スターが万全のTNTトロパンギガをしのげるか?

10月18日の台北富邦ブレーブス戦での富樫勇樹(写真/©EASL))

1011日に船橋アリーナで行われた、EASL2023-24シーズンのグランドオープニングを飾る千葉ジェッツ vs TNTトロパンギガの一戦は、ホームの千葉J93-7518点差をつけて快勝を収めるという結果で終わった。その後千葉Jは、18日にチャイニーズ・タイペイで台北富邦ブレーブスにも85-82で勝利し、現在グループAの単独首位に立っている。


この試合では富樫勇樹が、第4Q残り2秒の決勝弾を含め3Pショット18本中9本を沈め、38得点を稼ぐ大活躍。チャイニーズ・タイペイの有力新聞として知られる自由時報の公式サイトでも「富樫勇樹轟9顆三分彈兼準絕殺!(富樫勇樹、ほとんど伝説になりそうな3P9発炸裂!)」という見出しが躍り、ほかの地元メディアでも広く報じられていたことが検索エンジンを見ると感じられる。

千葉JEASLにおける次戦は111日にフィリピンのサンタローサ・スポーツ・コンプレックスで行われるTNTトロパンギガとの再戦だが、この試合に向けてのフィリピンにおける報道も活発だ。例えば、フィリピンを代表する総合紙のひとつであるフィリピン・デイリー・インクワイアラーのオンライン版は、11日のTNTトロパンギガの敗戦を「Undermanned TNT drops EASL opener, loses to Japan’s Chiba Jets(主力を欠くTNTEASL開幕戦を落とし、千葉ジェッツに敗れる)」という見出しで報じていた。1900年創刊でフィリピン最長の歴史を持つマニラ・バレッティンやスポーツ関連の有力媒体スピン、タイブレーカーなども、論調としてはTNTトロパンギガがまだチームとしてできあがっておらず、実力を出し切れていなかったことに重点を置く内容が多かった。

「次はしっかり戦い切らなければ」と敵将ラスティモサHC語る


次戦で「左利きのコービー・ブライアント」とも呼ばれるロンデイ・ホリス=ジェファーソンが本領を発揮する展開は、千葉Jとしては避けたいところだがどうなるか(写真/©EASL)





それでは次なる111日の対戦はどうかというと、これはフィリピンでは115日に開幕するPBAPhilippine Basketball Association)の直前となり、本来の力を図るべき舞台となる。フィリピン・デイリー・インクワイアラーの13日付けのオンライン版では、「After EASL loss, Jolas focuses on getting TNT in PBA shapeEASLでの敗戦後、ジョーラス[ジョージョー・ラスティモサHCのニックネーム]のフォーカスはTNTをPBAで戦える状態にすること)」と題した記事で、ラスティモサHCの「コンディションも上がっているので、次はしっかり戦い切っていかないといけません(We will be better off finishing games when we get in shape)」というコメントを紹介している。ラスティモサHCは、前半44-45と粘りながらハーフタイム以降持ちこたえられなかった船橋アリーナでの試合後会見で、「後半はガス欠でした」とプレシーズンのコンディションの悪さを敗因に挙げていた。上記の13日付記事でのコメントには、地元での再戦で同じ結果を受け入れるわけにはいかないという意欲が込められている。

マニラ・タイムズのオンライン版は1027日付で、「TNT hosts Chiba, eyes payback as EASL shifts to Sta. Rosa, LagunaTNTがEASLでラグナ州サンタローサに千葉Jを迎え、借りを返す機会に臨む)と題した記事を配信した。ここでは、前回の対戦を欠場したフィリピン代表のシューター、カルバン・オフタナの復帰や、前回はチーム合流直後のプレーとなったクインシー・ミラーとロンデイ・ホリス=ジェファーソンの外国籍コンビが格段に良いコンディションでプレーできるだろうこと、トレーニングキャンプを経てラスティモサHCも自信を深めていることが伝えられている。



文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: 千葉ジェッツ EASL東アジアスーパーリーグ

PICK UP

RELATED