日本代表・富永啓生インタビュー「NBAにも行きたいですし、オリンピックにも出たい」【W杯バスケ】
「NBAにも行きたいですし、オリンピックにも出たいです」
――では、これからネブラスカ大に戻り、取り組んでいきたい課題といったものは、何か得られましたか?
「全てにおいて成長しなければと感じています。フィジカルも含め、全てですね。もちろんオフボールの動きも磨いていきたいですね」
――ネブラスカ大のチームメイトも注目していたと思いますが、そうした期待にこたえなければとか、日本代表として恥ずかしくないプレーをしなければといったプレッシャーはありますか?
「日本代表としてふさわしいプレーということもありますが、プレー面だけでなく、こうした大きな舞台を経験したからこそ分かったことを共有していきたいです。リーダーシップであったり、声を出していくことであったり、そうした部分でもチームを引っ張っていきたいと思っています」
――フィジカルの部分では、もっと体を大きくしていきたいといった感じですか。
「そうした方向性ではないですね。ワールドカッブでも当たり負けした感覚はなかったので。もちろん当たり勝てたわけでもないですけど。もう少し、強くしてもいいのかなとは思っていますが、ただ強く、大きくではなくシューターというポジションにとって必要な形でフィジカルを高めていくイメージです」
――ちなみに3Pシュートを打つ際にポイントとしていることはどんな部分ですか。
「まずは脚、下半身ですね。しっかりとした下半身から手の動きを連動していく形です」
「脚、下半身」こそが3Pシュートのポイントだと語った
――そうした安定感をより高めていくということですね。ワールドカップで証明したように、シュート力という部分では、すでに高いレベルで通用しているといった自覚はありますか。
「そうですね。それ以外の部分、駆け引きであったり、オフボールでの動きであったりといったことをよりレベルアップしていくことが、夢に近づいていく近道だろうと考えています」
――NBA選手になるために、NCAAにチャレンジしてきたと思いますが、NCAAでプレーし続けるには、バスケットボールがうまいだけでなく、しっかりと勉強もしていかなければならないですよね。大変ではないですか?
「大変というより、目の前にある、やらなければならないことをやってきた感じです。アメリカでバスケットボールをしたいと思っていて、その場にいられているので、多少つらいことがあっても、NBAを目指していく中で必要なことなので頑張れています」
――日本代表に対してはどんな思いがありますか? 河村勇輝(横浜BC)選手と若手の二人で、今後の日本代表を引っ張っていってもらえたら頼もしいと思います。
「これまでは若手として、とりあえずがむしゃらにやっていれば良かったのですが、これからは二人で日本代表を引っ張っていけるよう、もっとお互いに成長していけたらと思います」
――今シーズンを終えると、NBAドラフト、パリ・オリンピックが待っています。仮にNBA入りが決まり、そしてオリンピックとなるとかなりタフなスケジュールになると思いますが、そんなことを考えたりはしますか。
「まだ、そこまで具体的にイメージしていませんが、自分のできる最大限のことをやっていければと思います。もちろん体を壊してしまうようなことは避けなければならないですが、まだ若いですし、頑張れるのではないかと。NBAにも行きたいですし、オリンピックにも出たいですしね」
ワールドカップのオフィシャルガイドブックの富永のストーリーの中で、桜丘高時代の恩師、江﨑悟氏が語ったエピソードがあるので、以下に紹介したい。
~~実はウインターカップ中に啓生が記者から「何でそんなに楽しそうにバスケをしているのか?」と聞かれたことがあったんです。そうしたら彼は「5000人の観客の前でプレーできるんだから、楽しまないともったいないじゃないですか」と答えたんです。それを聞いた僕は「楽しまないともったいない」という言葉を今の桜丘高の横断幕にしました。~~
今も富永は“楽しみながら”NBAでプレーするという夢に向かって走り続けているに違いない。
さまざまな質問に答えてくれた富永
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写真/石塚康隆(月刊バスケットボール)、取材・文/飯田康二(月刊バスケットボール編集長)