大学

2023.08.10

【第2回WUBS】未来志向のWUBS学生選抜が刻む世界基準到達への第一歩 - 公開練習レポート&松藤貴秋HCインタビュー

アグレッシブなアテネオ・デ・マニラ大に
リバウンド、ルーズボールで絶対に負けたくない



WUBS学生選抜の松藤貴秋HC(写真/©月刊バスケットボール)

――この大会に参加する意義はどのように感じていますか?

WUBSは本当に貴重な大会になると思っています。フィリピンのアテネオ・デ・マニラ大とできるというのは、本当楽しみにしていました。コロナもあって、なかなかこういう機会もなかったので大変貴重な強化の機会になっています。何とか勝ちたいというのが本心です。

――相手のスカウティングはどのくらいできていますか?

あまりできてないです。海外のサイトを探して、過去のゲームだったり去年のゲームを見たりはしていますけれど…。

気になる選手たちはある程度見ています。ただやっぱりフィリピンは伝統的に1対1が強かったり、Bリーグに来ている選手を見ても気持ちが強いと思うので、そういう相手に呑まれないように戦いたいなと思っています。

――練習としては何回目ぐらいになるんですか。

前回、6月の終わりぐらいに1回集まっているんですが、そのときは初対面のような状態でしたし、小澤選手(小澤飛悠[日体大1年])もU19に招集されて参加できませんでした。その後エントリー変更もあったので、全員がそろうのは実質今日が初めてです。

だからやっぱり、まだまだ人間関係もできていなくてちょっと硬いんですよ。それでも明日試合があり、明後日からジョーンズカップに飛びますので、本当に毎試合ステップアップしていく必要があります。

――実戦を通じて一つになっていくというわけですね。

そうです。私にとっても勉強です。選手たちも、これから例えばBリーグに行くとなれば、試合ごとの変化にアジャストする能力も必要なので、WUBSとジョーンズカップは、実戦で修正して成長していくことが大事かなと思います。

――明日の試合で特にここは負けたくないというポイントはどこですか?

リバウンドやルーズボールですよね、やっぱり。そこで負けるとゲームに直結しちゃうと思うんです。やっぱりニュートラルなボールをしっかり獲れるか、リバウンドをしっかり獲れるかというところは意識したいですね。そのためにはしっかり体を当てるとか、パンプするとか、ペイントでファイトするということになります。

――今日の練習で、手応えとしてはいかがでしたか?

練習ができてないので、やっぱり細かいところがまだ詰められていないので、私達の求めるレベルは当然来ていないんですけど、私が思っていたよりはずっといい状態です。初回にしては非常にいいと思うので、そのいい部分をもうちょっと引っ張り上げていけるようにしたいですね。

あんまりガチガチに、ヘッドコーチの顔色を伺いながらやるようなチームではなくて、自分たちでコミュニケーションをしっかりとってやっていくような準備をしたいです。選手の力を引き出す方向性で、私のやりたいバスケットをやらせるのではなく、選手たちのよさを引き出していきたいです。難しい約束事を組んでいくには時間がありません。その場その場で選手たちが判断したり、コーチとしても彼らが自分たちでやりやすい方を選ばせてあげられるようなバスケットをしたいなと思います。

明日の試合は適応力を試されるようなところもあると思います。前半と後半で修正が必要になることもきっと出てきます。彼らは皆、普段40分出ている選手だと思いますが、代表チームになると、1~2分でもとか、1回交代してとか、そういう経験の機会になると思います。ただ、その代わり40分間しっかりちゃんとファイトできて質が落ちない、体力切れにならないような選手を常にコート上に送り続けるというのが大事だと思うんです。


ミスマッチの1対1ドリルで対峙する月岡 煕(日体大2年=左)と介川アンソニー翔(専修大1年=右)。1対1一つにしても工夫が感じられる練習だった(写真/©月刊バスケットボール)

――このチームの活動は将来のA代表につながるものでもあります。今の日本代表のプレースタイルを意識されるようなところもありますか?

はい、日本代表のトム・ホーバスHCがやっているファイブアウトを取り入れています。ユニバーシアードも同じセットを使っていましたが、今回のチームでも取り入れています。

当然、すべてが同じではありませんが、ホーバスHCともコミュニケーションをとらせてもらいながら、考え方とかエッセンスを我々の世代でも取り入れています。センターもやっぱり3Pショットを打てますし、そういうことも将来のA代表に繋がっていくという意味でやっています。

――5対5のスクリメージでガードの選手たちがしきりに「ナゲッツ!」、「ナゲッツ!」とコールしていました。それもファイブアウトのプレーなのですか?

そうです。センターが外に出てきて、オフェンスのきっかけを作るプレーなんですよ。(A代表のファイブアウトとは)少し変えていますけど、エッセンスを取り込んで、例えば最初のパス、二つ目のパスぐらいまでは同じでも、それ以降のオプションは違う展開になっていきます。やはりすべてを完成させる時間はありませんが、1回目の練習で本当によくできていると思います。そういうエッセンスを入れるだけでも、選手たちが「A代表はこういうことだったんだ!」と想像を広げられるとも思います。こうした取り組みで、「自分たちが次のユニバへ、さらにその次に」みたいな意識を持てると思っています。

Sun Chlorella presents World University Basketball Series大会公式サイト
Sun Chlorella presents World University Basketball Series大会公式チケット販売サイト



取材・文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

PICK UP

RELATED