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2023.06.30

【第2回WUBS】高麗大學校、KBLスターをコーチングスタッフに加え快進撃継続中

アンダーカテゴリー韓国代表や李相佰盃選抜のタレントをそろえ新時代に突入



高麗大の攻守の要となっているムン ジョンヒュン。身長194cmのフォワードでU18韓国代表にも名を連ねた実績がある(写真/©️Korea University)

さて、韓国の大学王者、高麗大はどのようなチームなのか、少し情報をまとめてみたい。

まず注視すべきなのは近年の流れだ。Uリーグは昨シーズン高麗大が王座に就くまで、延世大が6連覇していた。この“延世大王朝”が終わったのは、ジョー ヒジュン監督率いる高麗大のコーチングスタッフにキム テホンがアシスタントとして加わった直後にあたる(以下「Aコーチ」と記述するが公式サイトなどでは「コーチ」とされており正式役職ではない)。

キムAコーチは韓国のプロリーグKBL2021年まで10シーズンに渡ってプレーしたスターであり、キャリア後半の5シーズン在籍した原州DBプロミでは、中村太地(昨シーズンはB1のシーホース三河でプレー)とチームメイトだった人物だ。今年行われた李相佰盃の韓国学生選抜にもコーチングスタッフの一人として名を連ねていた。プロキャリアを終えたばかりでまだ若いキムAコーチの獲得による学生の指導面でのテコ入れは、チームの勢いにつながっているのかもしれない。

今年の李相佰盃と言えば、高麗大からはプレーヤーとしても先に紹介したキム テフン、ガードのパク ムビン、フォワードのムン ジョンヒュン、そしてセンターのヤン ジュンと4人がロスター入りしていた。結果としては韓国学生選抜が日本学生選抜に21敗と勝ち越して大会を終えている。


今シーズンのリーディングスコアラー、パク ムビン。今年延世大で行われた李相佰盃でも得点源として活躍した(写真/©️Korea University)

彼らを含め、現在進行中のUリーグでは現時点までにコートに立ったのは15人。その平均身長は191.5cmと比較的大きく、200cm越えのビッグマンもヤンを含め3人いる。


身長200cmのヤン ジュンも李相佰盃で活躍したメンバーの一人だ(写真/©️Korea University)

韓国のバスケットボールには有能なシューターを育ててきた伝統があるが、現在の高麗大においては、進行中のUリーグで3P成功率46.8%(62本中29本成功)のを記録しているムン ジョンヒュンがそれを受け継ぐ存在と言えそうだ。ほかにもキム テフン、ムン ジョンヒョン、ムン ヨヒョン、ユン キチャンとロングレンジを武器とするペリメーターのプレーヤーがいる。チームとしての3P成功率(33%)と成功数(平均8.8本)はUリーグトップの数字だ。


高麗大のユニフォームを着たキム テフンも紹介しておこう。今シーズンはチーム2位の平均13.6得点を記録している(写真/©️Korea University)

得点面ではムン ジョンヒュン(平均13.6得点)、パク ムビン(平均14.6得点)、ガードのムン ヨヒョン(平均10.9得点)の3人が2桁得点を記録してけん引している。この中でムン ジョンヒュンは平均9.6リバウンドと5.1アシストもチームトップの数字。彼の活躍はWUBSでも高麗大の躍進のカギとなりそうだ。


彼ら15人を擁して高麗大は13連勝中なわけだが、前述の3Pショットの成功数と成功率のほかに1試合当たりの得点(85.9)、フィールドゴール成功数(24.6本)と成功率(57%)、アシスト数(22.4本)とオフェンス面の主要スタッツの多くでリーグ1位の数字をたたき出している。ディフェンス面を見ても11.7スティールと3.9ブロックはどちらもリーグ2位で、相手に許した失点(57.0)、フィールドゴール成功数(14.1本)と成功率(39%)、3Pショットの成功数(5.1本)と成功率(23%)、アシスト数(12.0本)がいずれもリーグで最も少ない。

リバウンドに関しては自チームがリーグ1位の47.0本に対し相手には31.2本しか獲らせていない。この約16本差のアドバンテージと厳しいディフェンスは、ハイスコアリングな高麗大のオフェンスの起爆剤となっていることがうかがえる。

WUBSでは、まずはお手並み拝見という初戦の相手がラドフォード大だが、このデータをどれだけ再現できるだろうか。普段通りのバスケットボールができるとすれば、どのチームにとっても非常に手ごわい存在だろう。
※本文中のスタッツは6月15日までのデータ

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文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

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