NBA

2023.05.31

NBAファイナル直前、ナゲッツHCが語った“3つのポイント”

ナゲッツが勝てば初優勝、ヒートが勝てば第8シードで初


現地6月1日(日本時間6月2日)からNBAファイナル2023がスタートする。初優勝を狙うナゲッツのマイケル・マローンHCは現地5月30日の会見でシリーズの3つのポイントについて解説。「人生最大のチャレンジだ。フランチャイズ史上初のNBAチャンピオンになろうとしているのだから、最も難しい挑戦になる」と語った。

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ウエスト第1シードのナゲッツはファイナル初進出。優勝すればもちろん初優勝となる。一方、過去3度優勝(2006年、2012年、2013年)のヒートは第8シードとして初の優勝を狙う。

第1戦をホームで迎えるナゲッツのマローンHCは会見の冒頭で「第8シードなんてことは忘れるべきだ。バックスに4勝1敗、セルティックスに3勝2敗。もはやシード順は問題なくなる」と語った。

そして今回のシリーズのテーマについて質問されると、ヒートの分析について語っていく。まずマローンHCがポイントにあげたのが「ターンオーバー」だ。ヒートは、ターンオーバーからの得点でプレイオフ・リーダーとなっており、相手のターンオーバーから平均20得点近くを引き出している。一方で、ターンオーバーからの失点数は最も少ないと指摘。「彼らのディフェンスがいかに優れているかはわかっている。私たちがいいオフェンスを展開してきたのは、シュートがうまくいっていて、ターンオーバーを犯していなかったからだ」と説明。ナゲッツの今プレイオフでのターンオーバーは11.4本でリーグ1位となっている(ヒートは12.4本で5位)。

2つ目にあげたのが「3Pシュート」。レイカーズとのカンファレンス・ファイナルでも、大きな武器になったが、今プレイオフでの3Pシュート成功率は38.6%でリーグ2位となっている。1位はヒートで39.0%となっている。
「今シリーズは最も3Pシュートがうまいチームの対戦だ。彼らの成功率は私たちよりも上。ジミー(・バトラー)、パム(・アデバヨ)は当然だが、ほかにも何人も得意な選手がいる。だから3Pシュートのディフェンスは本当に重要になる」とマローンHC。さらにカンファレンス・ファイナルMVPを受賞したバトラーについては「彼に対してはずっと同じやり方でガードすることはできない」と抑えるのが簡単ではないとした。

そして最後にナゲッツが勝つうえでのポイントとしてあげたのが「ファストブレーク(速攻)での得点」だ。今プレイオフでのファストブレークでの得点で、ナゲッツはリーグ2位の16.6得点(ヒートは11.1得点で12位)となっている。しかし「レギュラーシーズンでの対戦では速攻で平均9.5得点に終わった。全チームとの対戦で3番目に低い数字なんだ」と今季の2対戦では速攻が抑え込まれていると語っている。そして最後に「このシリーズは、ペース、速攻、ホームでアドバンテージを得ることが本当に重要になる」と語った。

“ホームゲーム”については、ナゲッツは自信が持てる数字がある。ファーストラウンドのティンバーウルブズ戦(4-1で勝利)、カンファレンス・セミファイナルのサンズ戦(4-2で勝利)、そしてカンファレンス・ファイナルのレイカーズ戦(4-0で勝利)と勝ち抜いてきて、ホームでは8戦全勝。レギュラーシーズンでのホーム34勝7敗もリーグ1位である。

その要因の一つとして指摘があったのが、 “マイルハイ・シティー”と呼ばれるデンバーの標高だ。標高1,600mは、高地トレーニングを行う高さであり、酸素濃度は83%程度しかない。ホームとして慣れていることはもちろん、カンファレンス・ファイナル後9日間、デンバーにいたナゲッツと、直前に入ってきたヒートでは多少なりとも違いはありそうだ。だからこそマローンHCは「高地(でのメリット)があるのは事実。うまく利用したほうがいい」とも語っている。一方、今プレイオフでヒートのロード成績は6勝4敗となっている。

デンバーから始まるNBAファイナル2023。マローンHCがあげたポイントをチェックしながら見てみるとより楽しむことができそうだ。

■NBAファイナル2023日程

ゲーム 現地(東部時間)[日本時間]ホーム
1 6月1日(木)20時半[6/2(金)9時半]デンバー
2 6月4日(日)20時[6/5(月)9時]デンバー
3 6月7日(水)20時半[6/8(木)9時半]マイアミ
4 6月9日(金)20時半[6/10(土)9時半]マイアミ
5 6月12日(月)20時半[6/13(火)9時半]デンバー
6 6月15日(木)20時半[6/16(金)9時半]マイアミ
7 6月18日(日)20時[6/19(月)9時]デンバー




文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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