月刊バスケットボール10月号

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2023.05.23

【第2回WUBS】東海大シーガルス陸川 章監督 - 「グッドディフェンスでそう簡単にはやられないぜという気持ちを表現したい」

©月刊バスケットボール

昨年8月に初開催となったWUBSSun Chlorella presents World University Basketball Series=ワールド・ユニバーシティー・バスケットボール・シリーズ、以下WUBS)で、日本から唯一出場して準優勝に輝いた東海大が、今夏の第2WUBSにも参戦する。昨年7度目の大学日本一に輝いたシーガルスは、世界各国の強豪大学に対しどのようなプレーを見せるだろうか。


陸川 章監督は昨年の大会を振り返り、「海外のトップチームが単独で集まってプレーする大会は初めてで、経験としてすごく大きかったです」と語った。2年連続出場の意義も感じている。「国際ゲームを経験してフィジカル面でも戦う、気持ち的にも強くなるというのが今年またできる。今回はアメリカ、オーストラリア、韓国も加わり、こんなチャンスをいただけて幸せだし、絶対に生かしたいと思います」

普段対戦できない海外チームとの対戦は、プレースタイルやフィジカルの違いなど、世界標準のバスケットボールを体感する機会であることも認識している。フィジカル面の強化を重視する陸川監督は、「我々もそこは鍛えているところ。何が通じて何が足りないかを見つける機会になるので楽しみです。ワクワクしていますよ」と笑顔を見せる。


スプリングトーナメントのベンチで指揮を執る陸川 章監督。WUBSの意義も強く感じているようだ(写真/©月刊バスケットボール)

陸川監督によれば、今年のチームは、キャプテンの黒川虎徹(4年)の呼びかけで「インカレ連覇を目標として原点回帰」というキャッチフレーズを掲げている。ゴールデンウイーク中に上位戦が行われた第72回関東大学バスケットボール選手権大会(スプリングトーナメント)では7位だったが、思えば昨年もこの段階ではベスト16どまりだったのであり、チーム作りの経過の中で、心配するような成績ではない。

戦った5試合は32敗という経過で、小柄なフロントラインを生かす得点面の工夫にはまだ課題もあるが、平均失点が59.0と機動力に富んだディフェンス力が光る戦いぶりだった。陸川監督は「ディフェンスをチームとして練習してきて、それが表現できたのは良かった。けが人が多かったですけど1年生6人が実戦を経験できたことは、今後に向けてすごく良かったなと思います」と手応えを語っていた。

黒川もディフェンスに対する意識の高さ・強さはしっかり心にとどめている。WUBSに向けてチームのどんなところを見てもらいたいかを聞くと、「それ(ディフェンス)を体現して、今年は本当に総合力で戦っていかないと勝てません。そういったところを皆さんにも見ていただきたいです」と語っていたが、スプリングトーナメントの試合でも、原点回帰の言葉どおりおごった姿勢を微塵も感じさせず、チームの土台となるべきディフェンスを徹底する意図が明確に表れていた。

Sun Chlorella presents World University Basketball Series大会公式サイト


激闘となった専修大とのスプリングトーナメント準々決勝、君座武志(左#23)との連係で得点機をうかがうキャプテン黒川虎徹。45-49で敗れたものの、スコアが示す通りディフェンス面の意識の高さは十分表れていた(写真/©月刊バスケットボール)

文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) 取材/柴田 健、中村麻衣子(月刊バスケットボール)

タグ: 東海大 東海大学シーガルズ

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