B3プレーオフ・セミファイナル展望 - B2昇格を果たすのは岩手か、埼玉か、静岡か、横浜EXか
実力拮抗、カギはリバウンドか?
埼玉ブロンコス vs. ベルテックス静岡
試合日程: 4/28(金)18:30-/4/29(土)14:00-/5/1(月)18:30-
試合会場: 浦和駒場体育館
通算成績: 埼玉43勝9敗(勝率.827)、ホーム22勝4敗(勝率.846)
静岡41勝11敗(勝率.788)、アウェイ21勝5敗(勝率.808)
直接対決: 埼玉2勝-静岡0勝(いずれも静岡のホーム)
3/11 静岡83-91埼玉
3/12 静岡83-91埼玉
直近10試合:埼玉9勝1敗 / 静岡6勝4敗 ※クォーターファイナルを除く
今シーズンはレギュラーシーズンで両チームの対戦が2度しかなく、埼玉のホームで行われるのはこのセミファイナルが初めての機会だ。実績としてはアウェイの埼玉が2勝しており、データ上は非常に優位に見える。ただし2試合とも83-91の8点差という結末で、両チームの地力に大きな差があるわけではない。
一つのカギはリバウンドではないだろうか。2度の直接対決ではいずれも埼玉が上回った(初戦47-43、2戦目39-30)。平均12.23本でレギュラーシーズンのリバウンド王となったライアン・ワトキンソンこそ1桁台にとどまったが、埼玉はガード陣も含めこの側面への意識が高い。地の利がある埼玉に静岡がリバウンドで圧倒されるようだと、リーグ2位の3P成功率(42.26%)を誇るグラント・シットンらの長距離砲が当たりだす可能性が高まるのは間違いない。
レギュラーシーズンのリバウンド王ライアン・ワトキンソン(写真/©月刊バスケットボール)
そうなると埼玉のリーグ2位のオフェンス力(平均90.2得点)が爆発する可能性がありそうだ。埼玉は3Pショットが成功率(35.0%)、成功数(10.9本)ともリーグトップであり、またターンオーバーがプレーオフ進出チーム中最も少ない(平均11.7本)。リバウンドをベースにこんな数字がそのまま並ぶようなら埼玉ペースだ。
ただ、静岡はアウェイで平均失点がホームよりも低い(アウェイが平均67.8、ホームが73.0)。引き締まったディフェンスがリバウンド面にも好影響をもたらし、埼玉のオフェンスの自信をくじくことができるようならシリーズは面白くなる。また、埼玉との直接対決で連敗を喫した時期は前後に岩手、横浜EXと対戦した時期で、この3節は1勝5敗と今シーズン最も低迷した時期だった。その時期を脱して、クォーターファイナルでも接戦を勝ち切った現時点ではチーム状況も違っている。
このシリーズは、80点台半ば以上の勝負になれば埼玉に分があり、それ以下ならば静岡のアップセットの可能性が高まるのではないだろうか。もしもリバウンドで静岡が対抗できれば、埼玉の優位性を示すデータは崩れていく可能性がある。静岡としてはキャプテン岡田雄三のリーダーシップ、プレーオフで当たっているケニー・ローソン、そしてレギュラーシーズンでチームトップの平均16.7得点を稼いだアレクシス・エールセネルらのビッグゲームも望みたいところだろう。
アウェイでのビッグゲームに臨むベルテックス静岡。キャプテン岡田雄三のリーダーシップも重要な意義を持ってきそうだ(写真/©月刊バスケットボール)