月刊バスケットボール5月号

大学

2023.04.25

大胆な変革で前へ進む日体大・藤田将弘監督「10年、20年と続く日体大バスケ部の文化を築き上げていくのが責務」

過去14度のインカレ制覇を誇る名門・日体大。近年は2008年の屈辱の2部降格から立ち直り、19年に1部復帰。そこから徐々に力を付けていき、昨年は21年ぶりの関東大学新人戦(ルーキーズトーナメント)優勝を飾った。この春には期待のルーキーも入学し、虎視眈々とタイトル獲得を狙う。
そんなチームは、新シーズンを前に大きな変化に踏み切った。それがロゴマーク、チームカラー、そしてユニフォームを含むウェア類のデザイン一新だ。チームを率いる藤田将弘監督に新シーズンの展望、そして変化に踏み切った経緯や思いを聞いた。【取材協力/スポルディング・ジャパン

新ロゴ、新ユニフォーム、新戦力。ポジティブな変化と共に前へ前へ!

──新チームが始動して少し経過しましたが、今年のスタイルは例年と比べていかがでしょうか?

「ライオンズのスタイルである速い展開に持ち込むところは変わりなくやっています。今年は4年生になる年だった小川麻斗(福岡第一)が千葉ジェッツとの契約に至ったということで、当初はどうなるのかなとも思っていました。ただ、彼が抜けたところをチャンスとして狙っている選手たちが気迫を持ってプレーしてくれているので、そういう面を含めて今は良い状態になろうとしているところ、という感じですね。1年生もレベルの高いところでやっていた経験がある選手たちなので、即戦力として期待したいです。

その中でも今年の一番の強みというとスピードですね。先ほど話したようにそれがうちのスタイルでもあるので、その色をより濃く出していければいいなと思っています。今年はインサイドの留学生が2人(ムトンボ・ジャンピエール〈東山〉とコネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメード〈帝京長岡〉)になったので、その点でもタイムシェアをして集中力を高く保てる時間が長くなると期待しています」

──特に期待したい選手は誰でしょうか?

「1年生では小澤飛悠(中部大第一)ですね。今はまだあまり責任を負わせたくはないですが、彼は責任を負うべき逸材にはなっていくと思うので、大いに期待しています。あとは2年生の西部秀馬(東山)であったり、月岡煕(昌平)、石川響太郎(小林)、早田流星(福岡第一)たちは去年の新人戦で優勝したときに活躍したメンバーなので、今年も主力として使っていきたいですし、期待していますね」


新チームの主軸となる#7西部秀馬

──今年はユニフォームのデザインやカラーリングも一新されて、新たな決意と共に迎えた新シーズンだと思います。このタイミングで大きな変化に踏み切ったのはどうしてですか?

「ユニフォームやロゴっていうのはマークというのはチームの看板であり、精神になるものです。私はそういうところにも力を注いでいきたいという強い気持ちがありました。もちろん大きな変化だったので、決断に至るまでにはいろいろな理由がありましたが、中でも大きかったのがライオンズとしてのブランディングをしたいなという思いでした。みんなで同じものを着用することによってモチベーションが上がったり、帰属意識や一体感、連帯感が高まると思うんです。そこを、ライオンズとしてより強固なものにしていきたいという思いが僕の中にありました。

それでさまざまなメーカーさんとお話をさせていただく中で、スポルディングさんがその思いに対して一番協力的で、これから先も共に歩んでいけると思ったんです。実際にユニフォームやウェア類を作成していく中で、担当者さんと密にコミュニケーションを取らせていただいたので、私の中ではイメージ通りのものができたなという感じです。本当に協力的で良いものを作っていただけたので、すばらしかったです。加えて、アメリカのNCAAのようにカレッジスポーツを盛り上げたい思いもあり、アメリカで誕生し、歴史と実績のあるブランド“スポルディング”に魅力を感じました」

──カラーリングも昨年までのネイビー×ホワイトからブルー×オレンジに変更しました。その2色にはどんな思いが込められているのですか?

「まず、ブルーは日体大の大学カラーなので、採用しています。もう1色のオレンジに行き着くのには、色どうしの相性などもあったのですが、オレンジ色というのは非日常な色ですよね。エネルギッシュなカラーでもあるし、自然の中では木の幹や炎の色。それに、例えば食べ物であったらおいしそうに見えたり。ほかにも本能や落ち着きとか、人の五感をポジティブな方面で刺激する色がオレンジなのかなと思ったんです。今、オレンジ色ははやりのカラーではあると思いますが、そういうことよりも色の持つ意味やイメージがすごくよかった。それでブルー×オレンジの組み合わせにしたところ、想像通りの色に仕上がってくれましたね。ちなみにスポルディングさんのメインカラーもブラック、ホワイトと“オレンジ”だそうです」



──選手たちのリアクションはいかがでしたか?

「デザインについては、新しいものができ上がることに対しての喜びが選手たちの中では大きかったようです。先ほどカラーリングについてお答えしましたが、やはりブルー×オレンジの組み合わせには効果があったんだなと思いますね。着心地については実は今日(4月23日)の日筑定期戦が初めてユニフォームに袖を通すお披露目の日なので、試合が終わったら選手たちに聞いてみようかなと思います(笑)」


取材・文/堀内 涼(月刊バスケットボール)

タグ: 日本体育大学 スポルディング筑波大学日筑戦

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