Bリーグ

2023.03.21

佐賀バルーナーズ、虎視眈々と狙う最高のエンディング

「SAGASAIKO」のスローガン実現に手応え


ガルシアは24日のライジングゼファー福岡戦で左足関節を捻挫。317日にインジュアリーリスト登録を外れ、遠征にも帯同していたが、A千葉戦出場には至らなかった。


レイナルド・ガルシアは終盤戦からプレーオフにかけてインパクトの大きな活躍を期待できるタレントだ(写真/©B.LEAGUE)

ガルシアは今シーズン平均20.8得点、6.3リバウンド、5.5アシスト、2.5スティールのアベレージ。欠場続きで試合数が規定未満だが、平均得点とアシストはリーグ3位相当、スティールはトップ相当の数字だ。

受傷の前週、越谷に連勝を収めた2試合では平均22.5得点、フィールドゴール成功率51.5%3P成功率は33.3%)、5.0リバウンド、6.5アシスト、3.0スティールを記録し、一人で越谷に16個のファウルを犯させた。仮にA千葉戦で出場できていれば、オフェンスのファーストオプションとして相手を相当苦しめたはずだ。

マッキントッシュは、225日に右足部舟状骨疲労骨折による離脱が発表され、27日からインジュリーリスト入りしている。トロント・ラプターズのGリーグチーム、ラプターズ905に所属した当時は地元ファンの人気者だったプレーヤーで、今シーズン平均15.9得点、5.3リバウンド、1.4アシストのアベレージだ。合わせて35得点、10リバウンド、8アシストを平均で叩き出していた両者を欠く中、バルーナーズはプレーオフの時期にフルロスターで戦える望みを持ちつつ、現状のロスターでできることを試し、個々のステップアップを期待している状況なのだ。


ミカイル・マッキントッシュに関しては復帰時期が未定のまま。状態が気になるところだ(写真/©B.LEAGUE)

宮永HCは両者の離脱前の越谷戦の頃にはスタイルが見えていたとも話していた。二人の復帰時点で、その頃よりもレベルアップしたチームになれることが重要であり、現在は勝敗の結果以上にその兆候が見られたことに意義を感じているのかもしれない。

その意味で、211日の青森ワッツ戦からチームに加わった身長198cmのフォワード、テレンス・キングが17.3得点、5.7リバウンドと力を発揮して戦力をつないでいることは大きい。また身長196cmのフォワード、西川貴之が、同じ青森戦以降12試合中10試合で20得点越え(うち2試合は30得点を越え)と、目に見えるステップアップぶりを示している。西川の通年アベレージは13.7得点だが、その間に限ると22.1得点とリーグ全体でもトップレベル。A千葉戦もGAME1こそフィールドゴール9本中成功1のみの2得点に封じられたが、翌日には終盤同点に追いつくクラッチジャンパーを含む32得点を奪って意地を見せた。

その西川が苦しんだA千葉とのGAME1で、地元佐賀北高から白鷗大を経てバルーナーズ入りした若手ポイントガードの角田太輝が活躍したのも好材料だ。角田はこの試合で、シーズンハイの26得点(キャリアハイにもあと1得点で並ぶところだった)と奮起した。


終盤戦は、角田太輝のさらなる奮起にも注目だ(写真/©B.LEAGUE)

佐賀はA千葉のディフェンスに対して、西川にしても角田にしても、小気味良い11の駆け引きからプルアップ・ジャンプショットを積極的に放ってきていた。宮永HCによれば、「基本的にはショットセレクションは選手に任せているので、一番打ちやすいポジションであればどんどん打っていけというスタイルです」と話す。

ペイントアタックからキックアウトしてフィニッシュというパターン、サイドチェンジを多くする中でキックアウトという、キャッチ&シュートを生み出す状況を増やす考えはあるという。しかし、ボールを持った状態での11にも長けた個の力をいかんなく発揮させるのも、ビッグゲームでビッグプレーを自信満々でやり切るマインドセットを導くプロセスかもしれない。

千葉ポートアリーナでの激闘2連戦を振り返る宮永HCの会見では、「最後まで戦ってくれた選手たちは成長をしっかり見せてくれたと思います」とチームに対する手応えも語られた。B1の舞台へステップアップする"最高"の姿を披露しようという意欲を込めたシーズンスローガン、「SAGASAIKO」が実を結ぶか。勝負のときが近づいている。

柴田 健/月刊バスケットボールWEB

タグ: 佐賀バルーナーズ

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