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Bリーグ

2023.03.06

福島ファイヤーボンズ、東地区首位アルティーリ千葉に食い下がり迎える12年目の「大きな日」


GAME2——エチェニケを軸に再び大健闘


GAME2は前日のダブルオーバータイムの影響もあってか、両チームとも重たいスタート。しかし終わってみれば、敗れた福島も80得点を奪う点の取り合いだった(最終スコアは80-90)。アルティーリ千葉は前日3Pショットで福島に苦しめられた反省から、その起点となるピック&ロール、ピック&ポップに対するディフェンスを修正。その結果福島は、GAME1でたびたび見られた“スイング-スイング・アクション(起点から直接のパスでショットを打たずもう1本、2本とパスをつないでよりよいショットを狙う戦術)”からのオープン3Pショットの機会を同じように作ることができない。

結果的に3Pショットで27-21と上回ることはできたものの、やはりペイントでの得点で36-46と取り返された。またアルティーリ千葉にフリースローの機会を20本献上し17本決められたこと(福島は12本中9本成功)も大きかった。

「昨日ペイントでの失点が多かったのでそこを修正しようと思いながら臨みましたが、ピック&ロールやトランジションで結構獲られてしまいました。なかなか自分たちのディフェンスが機能せず連敗となりました」と佐野HCは悔しさをにじませる。ただ、この試合でも残り325秒にエチェニケがペイントでジャンプショットをねじ込んだ時点で71-76。前日を越える2,508人の観衆が集まり、「チーバ、チーバ!」の大合唱がアルティーリ千葉の肩を押していた中で、この日も最大12点のビハインドから粘り強くファイトバックしたことは、今後に向けてのポジティブと捉えていた。「離された展開から最後に5点差まで詰められ、あと2点、3点が獲れれば展開も変わっていたかもしれません。そこでの攻守をもう一度見つめ直して、来週から連勝を目指したいです」


インサイドの要となっている身長208cmのグレゴリー・エチェニケ。2試合で77分越えの出場時間だったが、どちらも18得点と力を発揮していた(写真/©B.LEAGUE)

この第24節を終えて福島は通算成績21勝24敗(勝率.467)。B2は東西両地区で上位の5チームが勝率5割以上だが、この日東地区2位の越谷アルファーズを倒した同3位の西宮ストークスがその時点で通算成績21勝23敗(勝率.477)であり、福島を含む3チームがその越谷を0.5ゲーム差で追う同勝率という大激戦だ。プレーオフ圏内の地区3位以上とワイルドカードの2枠を競う競争はし烈だが、この週末の戦いぶりは勇気を得られるものだったに違いない。

開幕当初に1勝6敗と大苦戦した後、年末から年明けにかけての7連勝で成績的にも立ち直ってきた。東日本大震災を契機に発足したファイヤーボンズがクラブアイデンティティとして記す「『誇れる福島を』ともにつくりあげていく精神」が、シーズンが深まるとともに形になってきている表れと期待したくなる。「福島県にとって非常に大きな日」を前に、地区首位のアルティーリ千葉に対して彼らが披露したバスケットボールは、それを感じられる見応えに満ちていた。

取材・文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: 福島ファイヤーボンズ

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