静かな闘志を燃やす比江島 慎(宇都宮ブレックス) - 「アジアでつまづいているようでは世界で1勝できない」

FIBAワールドカップ2023アジア地区予選の最終Windowを控えた218日に行われたオンライン会見で、その比江島から4年前と同じ「世界で1勝」という言葉を聞いた。アジア地区予選での55敗というこれまでの経過と、Window6でイランとバーレーンに連勝しなければ予選を勝ち越して終われないことを伝えた上で、このWindowでの勝ちに対する意欲がどんなものかを問いかけた際の回答だ。


「ワールドカップ出場は決まっているんですけど、アジアでつまづいているようであれば世界で1勝はできないと思います」

Window6は是が非でも勝ちきって終わりたいという意欲とともに、4年前の屈辱を比江島が胸に刻んでいることも伝わってくる。昨年のB1制覇という集大成が通過点に過ぎないことも感じられた。「1勝」というのはもちろんWindow6ではなくワールドカップ2023本番での1勝であり、かつそれは比喩として1勝と言っているだけで、世界を驚かせる快進撃の幕開けとなる最初の1勝であるに違いない。


オンライン会見での比江島。チームを勝利に導くことへの意欲は高い(©JBA)

自信も膨らんでいるようで、「トムさんのバスケを理解するのに時間がかかりましたが、今はやりたいことを理解しています。それをしっかり表現してやっていければ必ず勝ちはついてくると思います」と話した。「若いチームなので勝って自信がついてくるということもあります。その意味でも結果を求めながら内容的にも良くして、自信を蓄えて本番に臨みたいです」

Window6への準備はまだ本番に向けた選考過程を兼ねており、もちろん比江島自身それを承知している。若手も加わり層の厚みを増したウイングのポジション争いで、経験も実績も豊富な比江島といえどロスター入り確定とはいえない。

「自分の持ち味をしっかり出しながら引っ張っていきたいと思っています」。モニター越しの静かな答えから、謙虚さや闘志、自信などいろんなものが混ざって聞こえてきた。


(©FIBA.WC2023)

取材・文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: 宇都宮ブレックス 比江島慎比江島 慎FIBAワールドカップ2023アジア地区予選Akatsuki Japan

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