Wリーグ

2024.04.12

Wリーグファイナル前日会見、富士通、デンソーが明日から決戦


Q.セミファイナルを振り返って

BTテーブスHC「1試合目は、かなり出だしが良かったと思います。勝ち切ることができて、いいリズムで好守ともにできました。2試合目も出だしが良くて、そこから時間帯によってトラブルがあって、接戦で勝ち切ることができなかった。次の日に試合という中で、選手はよく切り替えたと思います。普通なら気になって。3試合目は選手のおかげで勝ち切ることができました。精神的にああいう負けのあとは大変だけど、3試合目は選手のおかげでしっかり勝ち切ることができました」

ラディミール・ヴクサノヴィッチHC「素晴らしいチャンピオンと戦えたセミファイナルでした。過去プレイオフでは勝ったことがない相手だったので、勝てたことがうれしいです。メンタル的にもフィジカル的にもそこからカムバックできるかを意識してやってきたので今週末を楽しみにしています」

Q.相手の印象と警戒したい選手

宮澤「ディフェンスもオフェンスも強くて隙がないです。個々の能力も高いし、それを生かすためにみんなで戦うスマートなチーム。オフェンス・リバウンドも強くて、今年のデンソーは強いなというイメージを持っています。警戒したいのは、ここにいる髙田選手と赤穂ひまわり選手です」

赤穂「富士通はディフェンスから流れを使って乗り出したら止まらない爆発力があるチームという印象があります。町田選手が起点になって宮澤選手や林(咲希)選手がスリーを決めてくる。全員ですが、町田選手を特に警戒したいと思います」

Q.チームのキーパーソンは?

町田「全員注目してもらいたいんですけど、特にプレイオフに入ってからも成長してきているテミトペ(ジョシュア ンフォンノボン テミトペ)は注目してほしいです」

髙田「個人の名前は上げません。全員が必要ですし、全員で叩かないと勝てない相手です。それで戦ってきたので全員で戦いたいと思います」

Q.キャプテンからファイナルの意気込み

宮澤「ここまできたら気持ちと言いますが、その気持ちという面で、 一つのルーズボールとかリバウンド、一瞬一瞬を勝ち切ることだと思うので、まずは明日のゲームはしっかり勝ち勝ちに行きたいと思います」

赤穂「明日の初戦からしっかり戦って、初戦勝ち切って、そのままいい試合を2試合したいと思います」

Q. 相手のセミファイナルを見て、リーグ戦からの成長をどう感じたか?

町田「セミファイナルはデンソーもチームとしてレベルアップしていますし、先ほど宮澤が言ったように隙がない印象を受けています」

宮澤「特に赤穂ひまわり選手がプレーの幅を広くしたなという印象があります。ベンチメンバーの活躍も本当に良くて誰が出てもアグレッシブに攻めて守っているという印象です」

赤穂「チームとしての完成度が上がっていて、すごいなと思います。その中でもスターター5人の爆発力というのか、試合の入りがすごく強いなという印象を持っています」

髙田「セミファイナルは3戦とも出だしが素晴らしかったし、きれいなバスケでした。そこが一番重要なポイントかなと思います」

Q.ファイナルを戦ううえでのチームのストロングポイントはどこか?

髙田「ちゃんとやれれば、自分たちの方が上だと信じています。相手どうこうより自分たちが自信を持てる練習をしてきたので、すべてで上回りたいと思います」

赤穂「すべての部分で勝てるように、全部のところで負けるつもりはないのでそういうつもりでやりたいと思います」

宮澤「爆発力だと思います。やはり3Pシュートが武器で、デンソーさんも止めに来ると思うけど、今年のチームは守られた時でも得点できる」

町田「宮澤と同じです」

Q.レギュラーシーズのシャンソン戦のあと、チームの状況について納得できていないということがありましたが、その後チームはどう改善できていますか?

町田「その試合はたくさんの修正ポイントがあったんですけど、プレイオフに向けてレギュラーシーズンより1つでも2つでもレベルアップしなければいけないというところがあったので、ディフェンスもそうですしオフェンスでの遂行力は意識してやってきたかなと思います。(セミファイナルでは)やっぱりでききれてないところがあるし、2戦目みたいにディフェンスが悪くて負けてしまったこともあるので、そういうところをファイナルではないようにやりたいと思います」

Q.髙田さんが入った時、デンソーは下位チームでした。当時なぜデンソーを選んだのか、またこういう舞台に立てることを今どう思っていますか?

髙田「おっしゃる通り、入る前年は入れ替え戦を戦っていて、確か延長で勝ったような記憶があるので、もしかしたら2部からスタートしていたかもしれません。デンソーに決めたのは上位も含めて本当にたくさんのチームからオファーいただいて、井上監督(眞一/桜花学園高)といろいろ相談し、キャリアを考える中で試合に出て活躍することが一番重要だと言われました。私は日本代表に入って活躍したいという思いがありました。そのためには当時、内海(知秀/現日立ハイテクHC)さんがJOMO(現ENEOS)のHCで代表も見ていらっしゃったので、そういったところが入ったほうが早いのか試合に出たほうが早いのか天秤にかけて最後は自分の意志で来ました。
また、思いとしては来シーズンは2部制に変わるので、どのチームにもこういう舞台に立てるチャンスは1番あるかなと思っています。そういう経験は、なかなかきれいなプロフィールしか表には出ないですけど、そういう経験をしてきたっていうことは自分の経験から言えることだと思っています。選手もですけど、ファンの皆さんにとっても自分が応援しているチームが、どの環境にいたとしても応援してほしいなと思います。それが日本バスケの向上につながるし、盛り上がりにつながるかなと思います。そういう感じですかね。そういう選手もいるんだなというのは思っています。自分もこういう舞台に立てるとは当時は思い描けなかったですけど、こうやってここまで来たというのは、 自分のキャリアもそうですけど、ほかの選手のキャリアにとってもこう夢が描けるものだとありがたいなと思っています」

Q.ENEOS一強時代から変わりつつある現状をどう感じていますか?

宮澤「結構移籍がしやすくなってから、力が均等になってきたのかなと思います。一強よりもファンの方も見るのはおもしろいと思いますし、やっている側も勝つかどうかわからないのでやりがいをすごく感じます。ENEOSは勝って当たり前でうれしいんですけど、うれしさが全然違います。一つの勝ちに対しての思いというのか、種類がちょっと違います」

髙田「境遇が変わっていったというのは、富士通もそうですし、自分たちも他チームもそうだと思いますし、自分たちで変えようとして変わったんだと思うので、あきらめない精神で変えないと盛り上がらないと思っています。信念を持った人たちがWリーグにたくさんいたので変わったのかなと思います。
強い思いを持って、気持ちを持って戦えているんだと思います」

Q.レギュラーシーズンアワードで髙田選手がMVPになりました。それを受けてテーブスHCがSNSでフォローをするコメントをしていましたが、それを見てどんな風に感じていましたか?

宮澤「もしMVPが、レギュラーシーズン1位のチームから出るとしたら、 客観的に見て今年は私かなって思ったんですけど、もしそうじゃなかった場合には自分とは思っていませんでした。だから髙田選手がMVP取ったことに対してなんで?といったことはまったく思わなかったです。BTが言ってくれたことに関しては、うれしく思います。不思議という感じもしなかったです」

文/広瀬俊夫(月刊バスケットボールWEB)

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