【第3回WUBS】2大会連続出場で初の4強入りを目指すペルバナス・インスティテュート(インドネシア)
☆インドネシアのバスケットボール
FIBAアジアカップ2022でホストを務め、FIBAワールドカップ2023の共催国の一つとして国際大会の最高峰に深くかかわったインドネシアのバスケットボールは、現在間違いなく上昇機運にある。現時点ではFIBA世界ランキング75位だが、IBLもすでに創設20年の節目を越えており、今後の強化・発展が楽しみな状況だ。
カナダ対フランスという好カードが組まれたFIBAワールドカップ2023初日、インドネシア・アリーナは大観衆で埋め尽くされた(写真/©FIBA.WC2023)
世界4位の約2.7億人が暮らすインドネシアは若年世代が多く、あらゆる分野で今後成長を期待できる国でもある。首都をジャカルタからカリマンタン島に移転する大胆な計画も進行中。そのような国を挙げての成長機運の一部としてバスケットボール市場の拡大をとらえ、今後を展望すると面白い見方ができそうだ。
大学バスケットボールは、LIMA(Liga Mahasiswa)と呼ばれる大学スポーツ全体の統括団体が主催する競技会を活動の土台としている。シーズンは秋口から年末までと長くはないが、その期間にリージョナル(Regional)と呼ばれる予選ラウンドが2回あり、さらに決勝ラウンドに当たるナショナルズ(Nationals)を経て王座を決める。
☆ペルバナス・インスティテュートとは
ジャカルタにキャンパスを構えるペルバナス・インスティテュートは、インドネシアの銀行・金融関連産業の人材育成機関的な役割を担う高等教育機関として知られている。「ライノス(Rhinos=サイ)」のニックネームで親しまれるバスケットボールチームは、2021年から3年連続でLIMAナショナルズのファイナル進出を果たし、2022年と2023年に連覇を達成したことが示す通り、近年のインドネシアにおける大学バスケットボール界のフロントランナーだ。ただし新興チームという捉え方は適切ではない。チームのOBには、2010年代にインドネシア代表として活躍したクリスチャン・ロナウド・シテプというレジェンドや、2017年と2020年にIBLオールスターに選出されたダニエル・ウィナスのような人気プロが存在する。
前述のとおり、LIMAのシーズンが長くない中で、各大学に所属するプレーヤーたちの中にはBリーグの特別指定選手のように学生の立場のままIBLでのプレー機会を得る者も多い。ペルバナス・インスティテュートでも、トッププレーヤーたちは次世代の育成の糧となるIBLでの貴重な経験を学業と両立させながら大学生活を送るのが、一つのパターンとなっているようだ。
第2回WUBSの5位決定戦を終えた後、来場者に挨拶するペルバナス・インスティテュートの面々(写真/©月刊バスケットボール)
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文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)