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2024.04.28

【第3回WUBS】フィリピン勢としてWUBSで2チーム目のタイトル獲得を目指す名門デ・ラサール大

☆フィリピンのバスケットボール


フィリピンは1954年の第2FIBAワールドカップにおいて、アジア勢初のメダル獲得に成功した国(銅メダル)だ。米軍基地の存在など環境的な影響もあり、バスケットボールは国技と言えるほど高い人気を誇る。

昨夏はFIBAワールドカップ2023の決勝トーナメントのホストを務め、その直後にアジア競技大会で中国を破って金メダルを獲得。国際舞台での存在感も増してきている。それだけでなく、Bリーグでフィリピンの有力スターが活躍し、EASL(東アジアスーパーリーグ)で日本のクラブがフィリピンのクラブと対戦する機会が生まれたことなどにより、フィリピンのバスケットボールは日本のファンにとってもいまや身近な存在だ。


FIBAアジアカップ2025予選のチャイニーズ・タイペイ戦にエントリーしたフィリピン代表の面々。後列左から2番目にキンバオがいるが、カイ・ソット、カール・タマヨ、クリス・ニューサム、ドワイト・ラモスら、日本のバスケットボールファンにも親しみのある顔が並んでいる(写真/©FIBA.AsiaCup2025)

大学スポーツに関しては、デ・ラサール大が加盟しているUAAPNCAANational Collegiate Athletic Association)という2つの統括団体が存在している。後者はアメリカの大学スポーツ統括団体と同名だが組織的な関係性はない。両団体はそれぞれでアスリートの強化に取り組んでおり、また加盟チーム同士の交流もある。しかし近年フィリピン代表やBリーグプレーヤーなど有力タレントの多くを輩出しているのは、デ・ラサール大やアテネオ・デ・マニラ大、フィリピン大などどちらかと言えばUAAPの大学が多い。

☆デ・ラサール大とは

フィリピン国内トップクラスのエリート私学の一つとして知られるデ・ラサール大は、学生数約16,000人のカトリック系総合大学だ。総合大学としての現在の地位は1975年からだが、ルーツは1911年にフィリピンに初めて誕生したカトリック系の学校までさかのぼることができる。伝統ある名門大学であり、近年では政府からの支援を得ながら取り組んだフィリピン初のソーラーカー開発など、特に理工学系の研究で注目を浴びる成果を挙げている。

デ・ラサール大はグリーンをスクールカラーとしており、バスケットボール部はグリーン・アーチャーズ(Green Archers=緑色の射手)というニックネームで親しまれている。チームの歴史は長く、1924年のNCAA創設時に加盟チームの一つだった。ただしその後、1986年にUAAPに転籍し、現在に至っている。

デ・ラサール大出身で、Bリーグにやってきたプレーヤーとしては、2022-23シーズンに広島ドラゴンフライズに在籍していたジャスティン・バルタザールという身長206cmのパワーフォワードがいた。バルタザールは短期間の在籍で出場機会も8試合と少なかったが、その後母国に戻ってプロとして活躍している。


広島ドラゴンフライズ在籍当時のジャスティン・バルタザール。デ・ラサール大出身のプレーヤーだ(写真/©B.LEAGUE)

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文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

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