月刊バスケットボール6月号

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2024.04.17

【第3回WUBS】日本の王者白鷗大、歴史的4冠達成を視野に迎える新年度

昨夏の第2回WUBSで白鷗大は初出場ながら準優勝と結果を出した(写真/©月刊バスケットボール)

昨年度の白鷗大は、5月のスプリングトーナメントで準優勝した後、初出場の第2WUBSSun Chlorella presents World University Basketball Series=世界大学バスケットボール選手権)でも準優勝と成果を挙げ、秋の第99回関東大学バスケットボールリーグ戦(以下オータムリーグ)と第75回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)で二冠を達成して1年間の活動を終えた。今夏、810日(土)から12日(祝・月)にかけて国立代々木競技場第二体育館で開催される第3WUBSには、日本の大学王者として臨むことになる。


昨年同様にハイレベルな戦いが予想される第3回WUBSは、白鷗大にとって前回唯一敗れた相手であるディフェンディング・チャンピオンの国立政治大学(チャイニーズ・タイペイ/以下NCCU)に借りを返す機会だ。その背景に加えて新チームの成長ぶりなど、見どころや参加意義の多い大会に違いない。

総合力の高いプレーメイカー佐藤涼成、ポーグ健らのリーダーシップやいかに

白鷗大は、好成績を残した昨年度のチームから、大黒柱としてチームをけん引してきた身長193cmのフォワード脇 真大(3月に琉球ゴールデンキングスと契約[昨年12月から特別指定選手として活躍])や、190cmのパワーフォワード嘉数啓希(3月に鹿児島レブナイズと契約)、203cmのセンターでディフェンス面の奮闘で大いに貢献したシソコ・ドラマネらが卒業。それでも新年度のチームには得点、リバウンド、アシストと幅広い活躍を見せる173cm3年生ガード佐藤涼成をはじめ、国内の大学バスケットボール界のエリートタレントが在籍している。新年度のキャプテンはガードの小畠一真(175cm/4年)が務め、パワーフォワードのポーグ健(188cm/4年)が副キャプテンの役割を担う。


最上級生の2人がけん引する新チームは、現時点でも多くの話題を提供している注目チームだ。3月26日に発表された第47回李相佰盃日・韓大学代表バスケットボール競技大会の男子代表には、佐藤のほか陳岡流羽(SG/186cm/4年)、境アリーム(C/196cm2年)の3人が名を連ねている。戦力的には、彼らが成熟度を増していくのと同時に、インカレで優秀選手賞に輝いた留学生のジョエル モンガ(202cm/3年)は、インサイドでの存在感をいっそう増してくるに違いない。さらには新入生にも、FIBA U19ワールドカップ2023で日本代表の史上初のベスト8入りに貢献したシューターの小川瑛次郎(SG/185cm/羽黒高)や、仙台大明成のキャプテンを務めた村 忠俊(PG/180cm)、そのチームメイトだったウィリアムスショーン莉音(C/198cm)らが加わることも明らかになっている。

昨年度惜しくも逃した3冠(スプリングトーナメント、オータムリーグ、インカレ全制覇)、さらにはWUBSでの初優勝を含む4冠。そんな高みを目指すのは欲張りすぎだろうか。いや、このチームなら、これらはすべて目指すべき妥当な目標設定と捉えるべきだろう。タレントぞろいのチームを、最上級生のリーダーシップと網野友雄監督の指針がどのように導いていくか、非常に興味深い。ちなみにWUBSで白鷗大が王座に就けば、日本勢として初のタイトルとなる。

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ジョエル モンガは第2回WUBSの3試合で平均9.3得点、9.7リバウンドのアベレージを残し、その後のインカレでは優秀選手賞に輝く活躍で2度目の王座獲得に貢献した(写真/©月刊バスケットボール)

ディフェンス重視のマインドセットで準優勝に輝いた第2回WUBS

昨年の第2WUBSでは、初戦でペルバナス・インスティテュート(インドネシア)を97-49で退けた後、準決勝でディフェンディング・チャンピオンだったアテネオ・デ・マニラ大(フィリピン)に73-58で快勝。決勝ではNCCU(国立政治大/チャイニーズ・タイペイ)に前半33-54と大量リードを許したことが響き84-90で敗れたものの、最終スコアが示す通り終盤にフィナーレを彩る猛反撃を見せて大会を盛り上げた。網野監督はディフェンス重視の姿勢を強調してこの大会に臨んだが、3試合での平均失点65.7は大会2位の好成績であり、3試合中2試合で相手を60点未満に封じ十分持ち味を発揮した。さらには、厳しいディフェンスからの素早いトランジションでオフェンスも力強く展開し、平均84.7得点と得失点差19.0は大会1位だった。

今年度もチームに残るメンバーの中では、特に佐藤のオールラウンドな活躍が光った。佐藤は3試合すべてで2桁得点を記録し、3試合のアベレージは17.0得点、7.3リバウンド、3.3アシスト。中でもNCCUとの決勝では、24得点井10リバウンドのダブルダブルに加えて4アシスト、3スティールという大暴れだった。


昨年のWUBS決勝で、オールラウンドな能力の高さを披露した佐藤涼成(写真/©月刊バスケットボール)

プレースタイルとしては、新年度のチームについても網野監督のディフェンス重視の考えは変わらない。昨年度同様、タフなディフェンスで相手を苦しめ、スピード感あふれるオフェンスで得点を重ねるアグレッシブなバスケットボールで楽しませてくれるはずだ。



文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: インカレ 白鷗大

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