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2023.10.30

琉球ゴールデンキングスのEASL2023-24開幕戦レビュー——ソウルSKナイツとの再戦前に振り返るべき5つのポイント

3. 今村佳太とヴィック・ローのクラッチプレー

琉球のトップスコアラーは18得点を挙げた今村佳太。パリオリンピックでの日本代表入りを視野に捉えながら臨んでいる今シーズンの意識の高さが強く感じられた活躍だった。特に印象深いのは第4Qの活躍で、前述のルーズボールあり、残り2分を切ってから74-74の同点に追いつくディープスリーありと、今村のプレーが沖縄アリーナを熱狂の渦に巻き込んでいた。




その今村がファウルアウトしたのは残念だったが、最後に試合を決めたヴィック・ローのドライビング・レイアップとアンドワンのフリースローも、勝負強いミスター・クラッチぶりをファンの胸に焼きつけるものだった。ローはこの試合の3日前、サンロッカーズ渋谷とのアウェイゲームでも、第4Q残り5.5秒に逆転ミドルジャンパー(およびアンドワンのフリースロー)を沈めたばかり。千葉ジェッツの一員として琉球相手に戦った昨シーズンのBリーグファイナルGAME1で、延長に持ち込む同点3Pショットを決めたシーンを覚えているファンも多いに違いない。


勝負強さを発揮したヴィック・ロー(写真/©EASL)

残念なことに、ローは左膝蓋靭帯炎の診断で1024日からインジュアリーリスト入りしている。全治見込みは4週間でEASL第2戦の出場は難しそうだが、だからこそ、ソウルでは今村の活躍に期待したくなる。

4. リバウンド争いは負けていられない

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リーグ2022-23シーズンのベストリバウンディングチーム(平均42.0本)だった琉球は、ジャック・クーリーと渡邉飛勇を欠いた状態で戦う今シーズン序盤戦では、前シーズンと同等といえるまでのリバウンド力を出せていない。


ジャミル・ワーニーは得点力もすごかったがリバウンドでも強烈だった(写真/©EASL)

ソウルとのEASL開幕戦ではローが13本、カークが12本と奮起して38-35と上回った。しかしオフェンスに限ると12-13と獲り切れず、結果としてジャミール・ワーニー(199cm)とレオン・ウィリアムズ(198cm)に10リバウンドずつを許し、セカンドチャンスで失点を重ね苦しんだ。アウェイでの次戦ではここも間違いなく勝負のポイントになるだろう。

5. ソウルSKナイツの魅力と手ごわさ

ワーニーは、過去の実績が示すとおりの強烈なフィニッシャーぶりをあらためて印象付けた。40分間フル出場で、フィールドゴール33本中17本を成功させての39得点。琉球ディフェンスがワーニーに身長211cmのカークをマッチアップさせ、ある程度ロングレンジとミドルレンジで自由を与えていたとはいえ、やはり彼は大きな脅威だった。

リバウンドの項で触れたウィリアムズもここぞの場面でねじ込むプットバックが力強い。後半切れ味の良いドライブや速攻から得点を重ねたファン・ゴメス・デ・リアニョの、スピード感に満ちたプレーも光った。彼はこの試合で7本の3Pアテンプトすべてをミスしたが、これは沖縄アリーナの力かもしれない。敵地で同じように打たせるわけにはいかない。


ファン・ゴメス・デ・リアニョのドライビング・レイアップ(写真/©EASL)

激戦必至のソウル対決は見逃せない

KBLでのソウルSKナイツは10月29日までに5試合を消化し、3連勝後2連敗してEASL第2戦に臨むという状況だ。ワーニーとキム(ス)はそれぞれ、ワーニーが平均得点34.0がリーグトップタイ、キム(ス)も平均7.0アシストがリーグ2位タイの好成績。琉球にとっては、二人がそろった状態でアウェイで戦う11月1日の再戦は、前回と異なるチャレンジになりそうだ。

桶谷 大HCは前回の試合後会見で、徹底的にワーニーにボールを集めて攻めてくるソウルのスタイルに対する戸惑いもあったことを明かしていた。キム(ス)が出てくることで攻め方にどんな変化があるか、あるいはないのか。

琉球サイドでは、前回は不在だったクーリーが出場できローが出られない状況と思われる中で、二人しか登録できない外国籍プレーヤーをどんな顔ぶれにするか興味深い。前回はアレン・ダーラムが登録外だったが、機動力とフィジカリティーを兼ね備えたダーラムをワーニーにぶつける手も、クーリーとカークをそろえてサイズのアドバンテージを強調することも考えられる。

また、故障で前回出場できなかったキャプテンの田代直希も28・29日の富山グラウジーズ戦で復帰済み。タイトな日程の国外遠征で登録される12人の顔ぶれはどうなるだろうか。激戦必至のソウル決戦は楽しみな見どころに満ちている。


EASL公式サイト(ソウルSKナイツ vs 琉球ゴールデンキングス対戦情報ページ)



文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: 琉球ゴールデンキングス EASL

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