NBA

2023.10.25

サンアントニオ・スパーズ2023-24シーズン展望――スーパースパーズファン小谷氏が地元ジャーナリストを直撃

K.ジョンソンの新たな役割への対応、D.バッセルの活躍に注目


小谷: 今シーズン注目のプレーヤーの話をしようか。僕はケルドン・ジョンソン。昨シーズンの彼は、平均22.0得点を挙げてチームのリーディング・スコアラーだった。メディアデーではディフェンスに注力したいことを話していて、プレシーズンではそれは実行できたよ。オフェンス面ではウェンバンヤマとバッセルが一番得点を稼ぐ気がしていて、ポイントガードにソーハン起用となると、ジョンソンがボールに触れたりシュートする機会は減ってしまう。役割が昨シーズンから変わる過程の中で、彼がオフェンス面でインパクトを出し続けられるかに注目している。

昨シーズンの3P成功率は32.9%であまり高くなかったけど、その前のシーズンは39.8%。今シーズンはオープンな3Pショットを狙える機会はたくさん作れる。彼は走れるプレーヤーでもあり、昨シーズンはトランジションでのポゼッション数がチームトップの平均3.9だった。ディフェンスに加えて、3Pショットとトランジション、そこに得意のリムアタックを組み合わせて効率的・効果的に得点を稼げるか。そこが彼の貢献を図る指標になるかなと思っていて、僕は彼にはそれができると思っている。


ケルドン・ジョンソン(写真/©NBA)





ビエラ: 僕も彼がチームで一番役割が変化するプレーヤーだと感じている。彼が昨シーズン得点でチームトップだったことは、シュートの機会が多かったり、バッセルの長期欠場なども影響している。2シーズン前はデジャンテ・マレーがオフェンスの中心で、ジョンソンはキャッチ&シュートから効果的に得点を奪って自分の居場所を見つけた。今シーズンは当時の状況に近いんじゃないかな。

オフェンスでは恐らくサードオプションになるし、シーズンが経過していく中で、現実となるかは不明だけど彼はシックスマンの役割に移行することも考えられる。ソーハンのポイントガード起用が仮に失敗してしまった場合、トレ・ジョーンズがスタメンに加わる。誰がスタメンから外れるかと考えると、仲間外れ的になってしまうけれどもジョンソンになる。これは彼が悪いプレーヤーというわけではなくて、彼のスキルセットはシックスマンとして最大限に活用されるんだ。特にベンチから出場して得点源となれるプレーヤーは重要だと思うし、ジョンソンはそれができる。

今のロスターのコアと呼べる、契約も延長されて長期プランに入っていると考えられるプレーヤーの中で、ジョンソンが一番大きな変化を経験することになる。彼が変化をどう受け入れてプレーするかには、顕微鏡で物を見るように周囲も注目しているし、本人も確実に認識しているよ。

小谷: ケーシーの注目選手は?

ビエラ: 僕の注目選手はデビン・バッセル。昨シーズン僕らが彼に期待したのは、オフにどういうワークアウトをして、どこまでゲームの幅を広げられたのかだったけど、欠場が多くて残念ながらあまり彼のプレーを観ることができなかった。プレシーズンでは、流れるようなプレーで3Pショットも絶好調だった。彼がオフェンスでは2番目のオプションになる。ときと場合によっては1番目のオプションになるかもしれない。プレシーズンのヒート戦の後に、ポポビッチHCが「ウェンバンヤマには一つしかプレーデザインをしなかった」と語っていた。もしかしたら一番プレーコールされるのはバッセルになるかもしれない。僕の彼への期待値はとても高いよ。


デビン・バッセル(写真/©NBA)

さて、ここまで小谷氏によるサンアントニオ地元ジャーナリストとのスパーズ談義兼取材の要約を紹介した。スパーズはプレシーズンゲーム5試合を32敗と勝ち越し、日本時間10月26日(北米時間25日)にホームのフロストバンク・センターで戦うダラス・マーベリックスとの一戦から、いよいよレギュラーシーズンに突入する予定だ。果たしてどのようなシーズンとなるか、まずは見どころの多い82試合となりそうなことが、小谷氏とビエラ氏の会話から感じられる。





小谷氏はこれまでたびたびサンアントニオを訪れ、スパーズの公式戦観戦だけでなく、市長との面会、地元メディアの番組出演などでホームファンの間でも知られる存在だ。実は今シーズン、日本でスパーズの人気を上昇させようと「Paint it Silver & Black!」と名付けたプロジェクトを自ら立ち上げた。その活動の一環として、今後もビエラ氏とのコラボレーションのほか現役プレーヤーやレジェンド、あるいは対戦相手への取材なども予定しているので、乞うご期待だ。


ケイシー・ビエラ氏(Casey Viera/KEN5)


小谷太郎氏(Taro Kotani)



Text by Taro Kotani, in collaboration with Casey Viera/KEN5

タグ: サンアントニオ・スパーズ

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