月刊バスケットボール12月号

大学

2023.04.25

小澤飛悠&坂本康成、“全国ベスト4デュオ”は盟友からライバルに──

4月も終わりの差し掛かり、大学界でも新入生が本格的に公式戦デビューを果たすシーズンがやってきた。4月23日に行われた日体大と筑波大による日筑定期戦でも、フレッシュなニューカマーたちが躍動した。

その中で本稿にてスポットを当てたのが日体大の小澤飛悠と筑波大の坂本康成。2人は昨年度まで愛知県の中部大第一高でチームメイトとして戦い、インターハイ、ウインターカップ共に3位入賞。さらにアンダーカテゴリーの日本代表としても活躍し、2人そろって「FIBA U18アジア選手権大会2022」にも出場している。

小澤は山梨県、坂本は千葉県の出身で、高校入学前からの付き合いである両選手はまさに盟友と呼べる存在だった。今回はそんな2人に直接対決となった日筑定期戦の感想や、大学バスケという新たなステージに対する思いを聞いたショートインタビューをお届けする。

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それぞれの道で高みを目指す名コンビ


──まずは試合の感想、大学入学からこれまでの手応えなどを教えてください。

小澤
 自分はスタートで出させてもらっていましたが、全然通用しない部分や課題しか見つからない一戦でした。これからトーナメント(スプリングトーナメント)やリーグ戦につながっていく中で先輩たちの分まで試合に出ているわけなので、スタートで出ている身として責任を持ってもっと努力して、チームの中心選手になれるように頑張りたいです。
坂本 僕はあまり試合には絡めませんでした。筑波大はうまい人ばかりが集まっているので、1年生の時はプレータイムが多少短くなるのは分かっていたのですが、まだ自分はチームに溶け込めていないような感じがあります。チームとして直近のトーナメントに向けて頑張るというのもありつつ、個人の目標としてはまず新人戦(ルーキーズトーナメント)で活躍できるように頑張ろうと思っています。



高校時代はダブルエースとして中部大第一を引っ張った


──久々に違うチームになりましたが、いかがですか?

小澤
 新鮮ですね。
坂本 この前のアンダーの合宿とかでは違うチームで試合もしていたんですけどね。
小澤 でも、僕は康成とマッチアップするのは嫌ですね。康成が僕のことをマークしてきたときはなるべく「スイッチ、スイッチ」って言って、すぐにマークを変えさせるようにしています(笑)
坂本 逃げるんすよ、こいつ。僕は逆にガードの選手をマークしたくないから飛悠にスイッチしようとするんですけど、スイッチしたとしてもすぐ逃げます(笑)
小澤 こいつが僕のことを好き過ぎるだけです(笑)





──お互いの大学のユニフォーム姿はいかがですか?

坂本
 日体、ユニフォーム変わったよね?
小澤 変わったよ。しかも今日からね!
坂本 最初だから違和感がすごい(笑)。飛悠だけじゃなくて、日体大全体としてもまだ慣れてない感じかすごい。
小澤 そうだね(笑)。逆に、こいつは大体何でも似合うんで、筑波のユニフォームも似合ってますね。

──大学では今はどんなことをテーマに取り組んでいますか?

坂本
 今はプレーよりもフィジカル面を意識していて、体重も5、6kg増えました。それもあってまだその重さに体がなじんでいない感じもあるんですけど、新人戦に向けてもう3kgくらい増やしながら、それを体になじませていきたいなと思います。
小澤 自分も体作りから取り組んでいます。トレーニングの時間は高校よりもありますし、しっかりメニューを決めて先輩にイチから教えてもらいながらやっています。丁寧にフォームなんかから見てもらっているので、まずは体を鍛えること。あとは今日の試合でもあったんですけど、ポストプレーのところでまだ体の弱さを感じたのでもっとポストプレーをうまくなること。この2つですね。





──キャンパスライフはどうですか?

小澤
 僕は楽しいですね!
坂本 授業が死ぬほどキツいっす(笑)。僕は心理学などの一般生の人と同じ科目を取っているんですけど、今は全部何を言っているか理解できていないです(笑)。しかも自由度が高すぎて、自分で工夫していかないと何か理解できないまま授業が勝手に進んじゃうので、もうすでにピンチですね。“何を言っているのか分からない状態”が続いています(笑)。
小澤 僕は実技が多くて、バスケや相撲、水泳とか…実技ばっかりって感じですね。特に月曜日がシンドくて、朝からダンス→相撲→バスケ→水泳とやって、そこから部活をすることもあったり。1日中体を動かしていますね。あとは、寮ではご飯が出ないので自炊することが多くなって、結構料理はうまくなったと思います。
坂本 僕は今、アパートを自分で借りて完全に一人暮らしをしています。だから朝は軽く作って食べて、お昼は学食とか、それで夜は自分で作ってって感じなので、高校時代よりも料理の腕は上がったと思います。それにこの前、1日オフがあったときに普通に実家(千葉県)に帰れるくらいの距離になったので、もし実家に忘れ物をしてしまったときなんかも安心です(笑)。

──4年間でどんな選手を目指していきたいですか?

坂本
 僕は今年のチームのキャプテンでもある三谷(桂司朗)くんのようなプレーヤーになりたいです。身長が高くて3Pシュートも打ててドライブもできるよりオールラウンドなプレイヤーになっていきたいです。
小澤 僕はポイントガードまではいかないけど、ドライブもできてポストプレーもできて、外も高確率で決められる選手になりたいです。あと、日本代表に入って日の丸を背負える選手を目指したいと思っています。

今回紹介した小澤と坂本のように、高校バスケから大学バスケへと活躍の場を移す選手は多い。高校を卒業した後の彼らのストーリーも余すことなくチェックしていれば、将来のBリーグやWリーグ観戦がもっと楽しくなるはずだ!





取材・文・写真/堀内涼(月刊バスケットボール)

タグ: 日本体育大学 筑波大

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