月刊バスケットボール6月号

NBA

2021.02.28

渡邊雄太(ラプターズ)のロケッツ戦4試合ぶりの出場をブレイクダウン

 

非常事態下の試合で自身5試合ぶりの得点を記録

 

 トロント・ラプターズの渡邊雄太が2月26日(アメリカ時間=以下の日付表記は突起がなければすべて同じ)の対ヒューストン・ロケッツ戦で3試合ぶりに出場機会を得、17分18秒の出場時間で4得点(FG2/6、うち3Pは0/3)、4リバウンド、1アシストを記録して122-111の勝利に貢献した。ラプターズはこの当日、ヘッドコーチのニック・ナースを含むコーチ陣5人とパスカル・シアカムがコロナウイルス関連の安全衛生プロトコル対象となり欠場という“非常事態”。ヘッドコーチを務めたのはアシスタントの一人で、ポーランドでのFIBAユーロバスケット2022予選にスペイン代表ヘッドコーチとして参加していた関係で、アメリカ再入国後の隔離から解かれたばかりのセルジオ・スカリオロ。しかしみごと、NBAでヘッドコーチとしての初勝利を手にした(記録上はナースHCの勝利とされている)。
過去3試合で出場機会がなかったことに加え、2月19日のミネソタ・ティンバーウルブズとの試合で相手の“ドライチ”ルーキー、アンソニー・エドワーズの強烈なダンク直撃を食らったこと、さらには2月10日から16日までは左足首の捻挫で欠場していたこともあり、ラプターズのローテーションにおける渡邊の立場を心配するファンの声がソーシャルメディアでも見られるようになっていた。しかしこの日は故障から復帰後最長の出場時間で5試合ぶりに得点も記録。今後の活躍への明るい兆しを見せたと言える。
ラプターズを襲った“コロナウイルス騒動”の終息見通しは立てづらく、シアカムの戦列復帰もいつになるか不明確。この日の渡邊の出場時間はここまで出場した21試合中5番目の長さだったが、少なくとも状況の見通しが立つまでは、出場機会が巡ってくる可能性が通常よりも高いと思われる。
そのような中で渡邊のプレーはどうだっただろう。流れに影響を及ぼしたと思われるプレーを追いかけてみた。



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